「いい加減にしてくれ」――。今ごろ、安倍首相は悲鳴を上げているのではないか。小池都知事の“アベ攻撃”が止まらないからだ。
新型コロナウイルス禍の拡大後、後手後手の政府に対し、次々に要望を突きつけている小池知事。今度は、中小零細企業や個人事業主への“家賃支援”を要求した。
1日の定例記者会見。緊急事態宣言の期限が延長された場合の事業者支援について、「家賃の補助、猶予に関する検討が行われており、こうした対応をしっかりするのが基本になるのではないか」と、政府の支援を求めた。
しかも、今回は大阪府知事とタッグを組む念の入れようだ。吉村府知事はきのう、ツイッターに<緊急事態宣言の延長報道。なおさら中小零細企業、個人事業主の家賃支援が必要だ(略)小池知事とも共同で国に要望する>と書き込んでいる。
自民党関係者がこう言う。
「安倍首相は、小池知事にいいようにやられている。小池知事が『緊急事態宣言を出すべきだ』『中小企業を支援すべきだ』と政府に要求するたびに、知事の支持率が上がり、優柔不断に見える首相の支持率が下がる構図です。小池知事のうまいところは、決して安倍首相を直接攻撃しないことです。シタタカな彼女は、失態続きの政府に注文をつければ、それだけで世論の支持は自分にくると計算しているのでしょう。“9月入学”や“緊急事態宣言の延長”も、まるで小池知事が引っ張り、安倍首相が従っているかのように映っている。だけど小池知事は、五輪の延長が決定するまでコロナについて発言していなかったはず。さすがに安倍首相は、『小池さんは怖い人だ』と漏らしたと報じられています」
■中央政界への復帰がシナリオ
政界が注目したのは、小池知事が勝負色である“緑色”を身に着け始めたことだ。4年前、都知事選を“小池劇場”にした時も、緑をシンボルカラーにしている。
「コロナ禍で息を吹き返した小池さんが、“夢よ、もう一度”と再び総理のイスを狙い始めたのは間違いないでしょう。恐らく本人は“安倍首相は解散は打てない”“総選挙は任期満了の来年秋”とみているはず。実際、国民の支持を失った安倍首相に解散は打てないでしょう。少なくともコロナが完全に終息するまで解散は難しい。小池シナリオは来年夏、東京五輪が終わった後、『私の仕事は終わった』と都知事を辞任し、来年秋の総選挙で中央政界に復帰することでしょう。その時は、維新の会と連携することも考えられます」(政界関係者)
安倍内閣の支持率が下落するのは当たり前だが、パフォーマンスだけの小池都知事がシャシャリ出てくることに、鼻白んでいる国民も多いのではないか。