「天皇・皇后両陛下の長女・敬宮(としのみや)愛子さまのご成長ぶりには最近、皇室をお支えする多くの宮内庁職員からも感嘆の声が上がっています」
ある宮内庁関係者はこう語る。愛子さまは3月22日、東京都新宿区の学習院戸山キャンパスで行われた学習院女子高等科の卒業式に出席された際、報道陣からの呼び掛けに「たくさんの経験ができ、とても楽しく、充実した学校生活を送ることができたと思います」と述べられた。そのしっかりとした受け答えに、多くの宮内庁関係者は万感の思いだったという。
「一般国民の方々が初めてはっきりとした愛子さまの肉声を聞いたのは、2004年の9月に宮内庁が公開したプライベート動画で、まだ2歳の愛子さまが天皇陛下に向かって『パパも』と話しかけられたシーンではないでしょうか。その可愛らしいお声には当時、多くの国民から大変な反響が寄せられました。
その後も愛子さまのご成長を国民の皆様とともに多くの宮内庁職員も見守って参りました。それだけに、未成年でいらっしゃるというのに本当にご立派になられた愛子さまの卒業式でのお振る舞いに、思うところが多かったのは私だけではなかったはずです」(同前)
天皇・皇后両陛下が昨年11月9日、皇居前で行われた「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」でお出ましになられた際、祭典がクライマックスを迎えたところで雅子皇后が涙ぐまれるシーンがあった。翌日に「即位の礼」の一環として行われた「祝賀御列の儀」のパレードでも、沿道で祝福する国民を前に雅子皇后は涙をぬぐわれた。
「皇后陛下が公式の席で国民に初めて涙を見せられたのは、2002年4月2日、前年にお生まれになった愛子さまに関して天皇・皇后両陛下がご一緒に臨まれた記者会見で、『生まれたての子供の姿を見て、本当に生まれてきてありがとうという気持ちで一杯になりました』と述べ、涙を浮かべられたときでしょう。皇后陛下はなかなかお子様に恵まれず“お世継ぎ”を産まねばならないというプレッシャーに悩まされ続けた経緯があり、ようやく誕生された愛子さまに対する思いは、並々ならぬものだったはずです。
ですが、その後もお世継ぎのプレッシャーは激しく、ついにはご病気となられた。そのご病気のために公務がなかなかままならず、長くバッシングにも晒されてこられました。ご即位に関連して流された涙は、愛子さまのご成長を温かく見守り、時には手助けされる中で時間をかけてバッシングを乗り越えて、いま国民に心から祝福されていることを実感してのものだったのではないでしょうか」(同前)
共同通信社は4月、皇室に関する世論調査の結果をまとめたが、過去に10代8人いた女性天皇には国民の85%が賛成し、母親のみが天皇家の血を引く女系天皇については、79%が賛成していることが明らかになった。同社が昨年10月にまとめた調査結果では、女性天皇賛成が81%、女系天皇賛成が70%だったことから、わずか半年でどちらもかなり支持率を伸ばしたことになる。
「卒業式でのしっかりとした愛子さまの受け答えを目の当たりにした宮内庁職員の間からは、将来天皇となられるお立場だったお父さまの背中を見て育ってこられただけに、皇族として本当に立派になられたという感想を聞く機会も増えています。
秋篠宮家の長女・眞子さまが小室圭さんとの結婚に執着しているさまが、失礼な言い方ですがあまりにもグダグダなのでより一層、愛子さまのご成長ぶりが引き立ってしまっているという側面もあると思います。愛子さまが天皇になられても、十分に務めを果たされるのではないかと感じている職員も決して少なくはないはずです」(同前)
しかし、安倍晋三総理は「文藝春秋」の2012年2月号に寄稿した文章の中で「皇位はすべて『男系』によって継承されてきた。その重みを認識するところからまず議論をスタートさせなければならない」と述べ、女系天皇につながる可能性のある女性宮家や、女系天皇に直結する女性天皇に否定的な見解を表明している。寄稿文ではさらに、「旧宮家の中から、希望する方々の皇籍復帰を検討してみては」とも綴っている。
旧宮家とはもちろん、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の政策によって終戦直後の1947年に臣籍降下(皇籍離脱)した11の宮家のこと(詳しくは「 【眞子さまご結婚問題】自由な恋愛か、安定的な皇位継承か 安倍首相が本命視する”お相手男子” 」参照)。伏見宮家、東伏見宮家、久邇宮(くにのみや)家、東久邇宮家、北白川宮家、閑院宮家、賀陽宮(かやのみや)家、竹田宮家、朝香宮家、梨本宮家、山階宮家を指している。
政府関係者が語る。
「読売新聞は4月16日、『旧宮家の皇籍復帰 聴取 政府、有識者に』とする見出しの記事を掲載しています。記事では『政府が、安定的な皇位継承策の検討を巡り、戦後に皇族の身分を離れた旧宮家の男系男子の皇籍復帰について、有識者から聞き取りを行っていたことが15日、分かった』としています。
安倍総理の意向に沿って、政府が旧宮家復帰の可能性に道筋をつけようとする意図があるのは確実です。安倍政権は、愛子さまのご即位は絶対に認めないとはっきり意思表示したわけです」
保守派と呼ばれる支持層を裏切るわけにはいかない安倍総理の意向とは裏腹に、国民一般の間に、そして宮内庁の周辺でも強まっている“愛子天皇待望論”とでも言うべき議論。眞子さまのご結婚問題が長期化する中で、強まる秋篠宮家に対する風当たりとも相まって、皇室の前途は混沌としていると言えよう。
(朝霞 保人/Webオリジナル(特集班))