国内初の新型コロナウイルス感染者が1月下旬に確認された奈良県では、観光客が減り続け、それに伴って天然記念物「奈良のシカ」たちの様子にも異変が出ている。遠出して、普段見かけない場所で目撃されることが増えており、専門家は「いつもの観光地でシカせんべいをもらえなくなったので、首をかしげながらさまよい歩いているのだろう」と気遣う。
観光客が激減した2月以降、シカの行動範囲が広がっている。人の足で20分前後、直線で約2キロも離れたJR奈良駅周辺にも出没するなど、市街地へ顔を出す機会が増えた。集団で闊歩し、植え込みの草を食べ、ごみ箱をあさる姿も目撃されている。