安倍政権「賭けマージャンは賭博罪」過去の閣議決定でデタラメの墓穴

「#さよなら安倍総理」投稿は40万件超

“官邸の守護神”黒川弘務前東京高検検事長が、緊急事態宣言下にもかかわらず「賭けマージャン」に興じていた問題で、安倍政権は末期状態だ。23日実施の毎日新聞の世論調査で支持率が27%と“危険水域”の20%台に下落。4月8日の調査に比べ、マイナス17ポイントもの“暴落”だ。ツイッターでは、「#さよなら安倍総理」のタグ付き投稿が40万件を超える(24日夜7時時点)ネットデモも巻き起こっている。そんな中、安倍政権の「過去の閣議決定」がさらなる決定打となりそうだ。

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問題の閣議決定は、第1次安倍政権時のものだ。2006年12月8日付で、鈴木宗男衆院議員(新党大地=当時)が賭けマージャンを含む賭博の定義などについて、内閣に質問主意書を提出。週刊誌の投書欄に、外務省内部で違法賭博が行われていることを示唆する記述があったことを受け、〈(省内で)賭け麻雀を行ったという事例があるか〉とただし、「賭博」の定義や〈賭け麻雀は賭博に該当するか〉などと質問している。

安倍内閣は同19日付で回答。省内で賭けマージャンが行われていたか否かは〈確認できなかった〉としたものの、賭博の定義については〈偶然の事実によって財物の得喪を争うこと〉と刑法の記述を提示。賭けマージャンについては、〈財物を賭けて麻雀【中略】を行い、その得喪を争うときは、刑法の賭博罪が成立し得るものと考えられる〉と、ハッキリと「賭博に該当」との見解を示している。

質問主意書に対する内閣の答弁書は、各府省などで案文を作成し、内閣法制局の審査を経て閣議決定された見解を、質問者が所属する議院議長に示すものと規定されている。つまり、安倍内閣は「賭けマージャンは賭博罪」と、金額に関係なく違法であることを閣議決定していたわけだ。

ところが、22日の衆院法務委で、法務省の川原隆司刑事局長は、黒川氏が参加した賭けマージャンのレートについて、1000点当たり100円の「点ピン」だったと示した上で「必ずしも高額とは言えない」と、悪質性を打ち消す答弁を展開。懲戒処分もせず退職金を満額払う。過去の政府見解と矛盾するのは明らかだ。

こんなデタラメだからだろう。SNSでは「堂々と賭けマージャンしよう」という呼びかけが広がっている。

ツイッターでは、「【祝レート麻雀解禁!】検察庁前テンピン麻雀大会」と題し、参加者を募集する人まで現れた。「1000点100円=黒川レート」なんて言葉も出現している。皮肉を込めたイタズラかもしれないが、参加者に「政府は黒川レートならOKなんでしょ」と反論されたら、捜査機関はどうするのか。

「法律自体は、宗男議員が質問した06年と現在で変わっていないのに答弁は正反対。その矛盾を野党に質問されたらどう答えるのでしょうか。安倍政権は、これまでも自らや“お友達”を守るため、法の趣旨や過去の政府見解をねじ曲げてきました。この『一貫性のなさ』は今度こそ徹底的に追及されなければなりません」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

黒川問題はまだ終わっていない。安倍首相は墓穴を掘った。自ら「さよなら」を切り出す時だ。

黒川検事長「訓告」は官邸の意向だった

大甘処分の“犯人”はやはり安倍官邸だった。

賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長の処分について、法務省は国家公務員法に基づく「懲戒」に当たると判断したのに、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となっていた。複数の法務・検察関係者が証言したと、24日、共同通信が報じた。

安倍首相は22日、国会で訓告より重い懲戒にすべきだと追及されたが、「検事総長が事案の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と繰り返し、責任を法務省に押し付けた。しかし、法務・検察関係者によると、事実関係を調査した法務省は、賭博をした職員は「減給」または「戒告」の懲戒処分とする人事院指針などに照らし、懲戒が相当と判断。任命権者の内閣として結論を出す必要があると考えていた。

森雅子法相は21日午前、報道陣に「21日中に調査を終わらせ、夕方までに公表し、厳正な処分も発表したい」と発言。この後、官邸と詰めの協議をし、官邸側の意向で訓告になったという。

ある法務・検察関係者は「当然、懲戒だと思っていたので驚いた」と証言した。