解除から一夜明け、通勤客増も宣言前に及ばず 図書館は入場制限付きで再開

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除から一夜が明けた26日朝、東京都内の主要駅では解除前の先週より多くのサラリーマンらが通勤する光景が見られたが、宣言前の人出にはまだ及ばない状況が続く。一方、都内ではこの日、休業要請について段階的緩和の「ステップ1」に移行し、休館を続けてきた公立図書館も入場制限付きで再開した。【松浦吉剛、川村咲平、矢澤秀範】
東京都港区のJR品川駅では、マスク姿で職場に向かう通勤客が目立った。午前7時半過ぎ、同駅に降り立った横浜市の男性会社員(50)は「(駅の利用者は)先週に比べれば、ぐっと増えた」。緊急事態宣言は解除されたが、勤務先では宿泊を伴う出張はまだ見合わせるよう指示されているといい、「(宣言)前のような働き方にはなかなか戻らないのでは」と語った。
茨城県つくば市の会社員、有坂正浩さん(45)は「宣言解除とはいえ、駅も電車も昨日と(混み具合が)変わらない印象。まだ企業側の対応が追いついていないのではないか」と話した。宣言の解除を見越し、25日から出社し始めたサラリーマンらも多かったとみられる。「今後、通勤客が増えると、長時間になる電車通勤中の感染リスクが気になる」と懸念もしていた。
一方、JR渋谷駅前のスクランブル交差点やJR東京駅前の人出は依然としてまばらで、宣言前の混雑ぶりは戻っていない。
品川区の区立品川図書館は、臨時休館が始まった4月9日以降、約1カ月半ぶりに図書の貸し出しサービスを再開した。
当面は、臨時休館前に予約を受けた資料の貸し出しのみ対応する。館内は一方通行のルートを設け、来館者が距離を置いて並ぶための目印を床に貼り付けた。26日午前9時から、職員がビニールで仕切られたカウンターに立ち、来館者の対応を始めた。近所の無職男性(71)は早速、借りた小説を手に、「しばらく本が読めずに退屈だった。楽しみが復活して、うれしい」と笑顔を見せた。
横山莉美子館長は「まずは第一歩を踏み出せて良かった。感染に配慮した新生活とのバランスを取りながら、今後、館内でくつろいで読書を楽しんでいただけるようになるまで準備していきたい」と話した。
また、在宅勤務の普及でワイシャツやスーツなど仕事着の注文が減ったクリーニング店は、経済活動の回復に期待を寄せる。江東区の「古川ランドリー」は3、4月のワイシャツの注文数が昨年と比べ半分以下だったという。経営する古川隆太郎さん(73)は「在宅勤務が定着し始めており、見通しは良くない。ぎりぎりの状態だが、緊急事態宣言がいつまでも続くよりはいい」と宣言解除を歓迎する。例年よりスーツの注文が半減したという「ナカムラクリーニング店」(中野区)の担当者は「ちょうど衣替えのシーズン。遠のいた客足が戻ってほしい」と望んだ。