京アニ放火容疑者 「当初は包丁で襲うつもりだった」 現場付近に6本放置

「京都アニメーション」第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの疑いで逮捕された青葉真司容疑者(42)が「当初は包丁で襲うつもりだった」と供述していることが、京都府警への取材で判明した。「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」とも供述しており、府警は青葉容疑者が計画を変更したとみて調べている。
一方、青葉容疑者の弁護側が28日、寝たきり状態の容疑者について「勾留の理由や必要性がない」として、勾留の取り消しを求めて京都地裁に準抗告した。
府警によると、現場付近の路上で刃がむき出しの包丁6本が見つかった。青葉容疑者は事件3日前の2019年7月15日、自宅があるさいたま市から京都入り。ホームセンターで購入した携行缶2個にガソリン計40リットルを入れ、包丁が入ったかばんやハンマーと一緒に台車に載せて現場に持ち込んだとされる。
捜査関係者によると、青葉容疑者は19年11月に入院先の病院で行われた任意聴取の際、用意した包丁について「邪魔をする者がいたら襲うつもりだった」と供述している。実際には誰にも止められなかったため、包丁を路上に放置して第1スタジオに侵入して放火したとみられる。府警は、包丁による襲撃から放火に計画を変更した経緯に着目して捜査している。
また、青葉容疑者は逮捕後の取り調べで「(犠牲者は)2人ぐらいと思っていた」と供述していたことが新たに判明した。事件当時、第1スタジオに社員らが何人いたか把握していなかったとみられ、36人が死亡したことについては知らなかったとみられる。
府警は28日以降、青葉容疑者が勾留されている大阪拘置所(大阪市都島区)に捜査員を派遣し、本格的な取り調べを進める。関係者によると、大阪拘置所では青葉容疑者を受け入れるために居室や面会室などが改修され、医療スタッフも増員された。
一方、青葉容疑者の国選弁護人として、京都弁護士会に所属する遠山大輔弁護士(46)が28日に選任された。遠山氏は08年に京都府舞鶴市で女子高生が殺害された事件で、無罪が言い渡された男性の弁護を務めていた。【千葉紀和、添島香苗】