新型コロナウイルスの緊急事態宣言の全面解除を受け、各自治体が業種ごとに休業要請解除を検討するなか、目を引くのが神奈川県の動きだ。27日からクラスター(感染者集団)が発生したスポーツクラブやライブハウスを含む全業種の営業再開を営業時間短縮の条件付きで認めたのだ。
黒岩祐治知事は、休業要請を出している全業種に対して27日から午後10時までの時短営業要請に切り替える第1段階の緩和を実施し、3週間程度で通常営業を認めるか判断する方針だという。
首都圏では東京都、千葉県、埼玉県も休業要請の緩和に踏み切るが、いずれも業種ごとに段階分けされていて、過去にクラスター発生の事例がある業種については特に慎重に判断する方針だ。
神奈川方式が目立つが、地元記者は「緩和段階を業種で分けた東京都に対し、神奈川県は時間で分け、独自色を出したということかもしれない」と語る。
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は「県境で感染リスクに差異があるわけではないので、首都圏の1都3県で統一した休業緩和策を取るべきだったのではないか。特にナイトクラブ、ライブハウス、スポーツジムなどは人同士の接触可能性も高く、再度クラスターが発生する可能性も高い」との見解を示す。
フィットネスジムの「ゴールドジム」は27日から神奈川県内の店舗で時短営業を開始。県外からの移動を防ぐため利用者は当該店舗所属の会員に限っている。
接待を伴う飲食店を指すナイトクラブでは、休業要請解除に伴い営業を再開する店舗もあれば、5月上旬ごろから営業を再開している店舗もあった。ライブハウスは休業が解除されても、すでに予定されていたライブを中止・延期している影響で、すぐに営業再開とはいかないようだ。
神奈川といえば、緊急事態宣言解除の基準をなかなかクリアできなかった。県は黒岩知事によるメッセージ動画を配信し、繁華街の接待を伴う飲食店などクラスター歴のあるような場所へ行くことや、生活や仕事に必要な場合を除いて県域を越えた移動を控えるように呼びかけた。
前出の和田氏は、「休業要請を解除したにも関わらず、特定の施設に行くなと言うのは矛盾を感じる。休業補償の予算がかかるため解除に踏み切ったのかと業界団体の反発を招くのではないか」とも指摘する。
関西では、兵庫県が、ナイトクラブやスポーツジムなどに対する休業要請を月末で終えると決定した。感染防止対策の徹底を条件に6月1日午前0時から全業種の営業を認める。
大阪府は29日までにクラスター発生業種の休業要請解除について判断を行う方針としている。