胎児のRh血液型 母の血液で99%判別 国立成育研

妊婦の血液を使って出生前に胎児の血液型を高い精度で判別する検査法を国立成育医療研究センター(東京都)などのグループが開発した。妊婦がRhマイナスで胎児がRhプラスの場合、胎児が重篤な疾患を発症する恐れがあり、グループは「妊婦や胎児に適切な処置ができるようになる」と説明している。
血液型にはABO型のほか、赤血球に含まれる特定のたんぱく質(抗原)の有無で判別するRh型がある。日本人は200人に1人がRhマイナスとされ、母親がRhマイナスの場合、父親もRhマイナスでない限り、胎児がRhプラスとなる可能性がある。母親がRhマイナスで胎児がRhプラスだと免疫反応で胎児に悪影響があり、放置すると重篤な貧血や黄だんが起きる恐れがある。
妊婦と胎児は胎盤を通じて互いの血液成分が混ざり合うことから、妊婦の血液で胎児のRh型を判別する検査法は現在もある。しかし、日本人は人種の特性でRhマイナスの妊婦の25%で胎児のRh型を正確に判別できない。このため、Rhマイナスの妊婦には胎児のRh型にかかわらず、予防的に血液製剤を投与し、胎児への悪影響を避ける処置をしている。
グループはRhマイナスの妊婦の遺伝子を詳細に調べ、Rh型を正確に判別できる遺伝子配列を4カ所特定した。妊婦の血液を採取し、遺伝子配列を高速で読み取る「次世代シークエンサー」で解析することによって、99%以上の妊婦で胎児のRh型を判別できることを確かめた。
この検査法が確立すれば、妊婦によっては血液製剤の投与が不要になり、副作用のリスクを避けられる。国立成育医療研究センターの秦健一郎・周産期病態研究部長(人類遺伝学)は「今後、次世代シークエンサーでの解析費用が下がれば一般に普及することも期待できる」と話す。【五十嵐和大】