遺族「命より規則大事か」=西日本豪雨訴訟で初弁論―松山地裁

2018年の西日本豪雨の際、決壊防止のため行われたダムの緊急放流で被害を受けたとして、愛媛県の住民ら8人が、国などに約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、松山地裁(梅本幸作裁判長)であった。両親を亡くした原告の女性(50)が意見陳述し、ダムの事務所が操作規則に従ったと主張していることに触れ「人の命よりも規則の方が大事だと言うのか」と語った。
これに対し、国と大洲市、西予市は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
訴状などによると、国土交通省四国地方整備局は18年7月7日、鹿野川ダム(愛媛県大洲市)と野村ダム(同県西予市)で緊急放流を行い、肱川が氾濫。流域の住宅が浸水などの被害に遭い、8人が死亡した。
原告はダムの操作が不適切だったと主張。大量の雨水が流入することを予測できたのに事前放流を怠ったと指摘している。大洲、西予両市に対しても事前の情報提供が不十分だったとしている。
[時事通信社]