「鬼滅の刃」アニメ制作会社、1億3900万円脱税か…国税告発

人気アニメ「

鬼滅
( きめつ ) の


( やいば ) 」などを制作するアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」(東京都中野区)が法人税など約1億3900万円を脱税したとして、東京国税局が同社と近藤光社長(50)を法人税法違反と消費税法違反の疑いで東京地検に告発していたことが関係者の話でわかった。隠した所得の一部は、社長の自宅金庫に保管されていたという。
関係者によると、同社はアニメ制作の傍ら、各地でアニメキャラクターに関連する飲食店などを経営。現金で売り上げを管理していた東京と大阪の4店舗でその一部を除外し、2018年8月期までの3年間で約4億4600万円の所得を隠し、法人税約1億1000万円と、客から受け取った消費税約2900万円の納付を免れた疑いがある。
近藤社長は、4店舗の経理担当者らに指示し、売り上げの3~5割を自宅兼事務所に持参させていた。同国税局が19年3月に強制調査(査察)に入った際、現金約3億円が自宅の金庫などに保管されていたという。
取材に対し、同社は代理人弁護士を通じ、「国税当局の指導に従って修正申告し、全額納税した。ファンの皆さまをはじめ、関係者に心よりおわび申し上げる」などと回答した。
「鬼滅の刃」は、大正時代の日本を舞台に、鬼に家族を惨殺された少年が仲間たちとともに鬼に立ち向かっていくストーリー。社会現象にもなり、原作漫画の連載は5月に終了したが、今秋には同社制作での映画化が予定されている。
同社は00年創業。人気ゲームをアニメ化した「Fate」シリーズなどで売り上げを伸ばした。民間信用調査会社によると、19年8月期の売上高は8億円。