蔵王樹氷、広がる虫害 針葉樹林回復へ植樹本腰 山形森林管理署

蔵王連峰で樹氷を形づくる常緑針葉樹「アオモリトドマツ(別名・オオシラビソ)」の林を回復しようと、山形森林管理署は3日、山形市蔵王温泉の「蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅」(標高1661メートル)付近でアオモリトドマツの自生苗を10本植樹した。食害による枯死被害が広がり、再生に本腰を入れる。
同署によると、アオモリトドマツは2013年ごろ、ガの一種「トウヒツヅリヒメハマキ」の幼虫に葉を食われる被害を受けた。16年ごろには「トドマツノキクイムシ」による虫害が加わり、枯死が悪化したという。
現在、地蔵山頂駅付近(標高1400~1600メートル)の約17ヘクタールが「激害地」。同署は昨年5月と9月に既に約20本の苗の植樹を行っており、今後は5年かけて再生に取り組むという。
この日は、同署の職員2人が標高1300メートル付近に自生していた約20センチの苗10本を植樹。同署の中野亨署長(55)は「樹氷は重要な観光資源。これまでに植えた苗は順調に成長しており、なんとかアオモリトドマツを再生させたい」と話した。【日高七海】