兵庫県宝塚市の住宅で家族3人がボーガン(洋弓銃)で撃たれて死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された野津英滉(ひであき)容疑者(23)が「家族全員を殺すつもりだった」と供述していることが、捜査関係者への取材で明らかになった。死亡した祖母の好美さん(75)は事件前、近所の複数の住民に「孫に手を焼いている」などと漏らしていた。県警は家族内のトラブルを背景に、野津容疑者が一方的に恨みを募らせて強い殺意を抱いたとみている。
好美さんの他に、野津容疑者の母マユミさん(47)と弟英志(ひでゆき)さん(22)が死亡した。いずれも頭に矢が刺さっていた。
近所の住民らによると、好美さんは野津容疑者と弟との3人暮らし。マユミさんは数年前から500メートルほど離れたアパートに1人で住んでいた。好美さんは数年前から「孫との関係に悩んでいる」「孫の当たりが強い」などと悩みを抱えている様子だったといい、2019年12月ごろには「孫に携帯電話を取られた」とこぼしていたという。
県警によると、死亡した3人はそれぞれ1階の居室、台所兼リビング、浴室前で倒れていた。いずれも至近距離から頭を撃たれたとみられる。服装や室内に争った形跡がないことから、野津容疑者が別々の場所にいた3人の不意を突いて襲った疑いがある。
事件は、首を撃たれて重傷を負った伯母の百合江さん(49)が近隣の住宅に逃げ込んで発覚。百合江さんは宝塚市外に住んでいるが、捜査関係者によると、野津容疑者は「電話で自宅に呼び出した」と供述しているという。また最初に好美さんを撃ち、その後に弟、伯母、母の順番で襲ったとも話しているという。
一方、兵庫県は5日、事件を受けて、ボーガンを県青少年愛護条例の「有害玩具類」に緊急指定すると発表した。今後は少年らへのボーガンの販売や貸し付けが禁止され、違反した場合は30万円以下の罰金。県は吹き矢などを対象としていたが、ボーガンは規制していなかった。【韓光勲、中田敦子、柴山雄太、藤顕一郎】