兵庫県宝塚市の住宅で3人がボーガンで撃たれて死亡した事件で、兵庫県警に殺人未遂容疑で逮捕された私立大4年、野津英滉(ひであき)容疑者(23)は、自宅の別々の部屋にいた家族をいきなり襲い、伯母(49)を電話で呼び出して襲撃したとみられる。「家族全員殺すつもりだった」と強い殺意を示している。
野津容疑者の母、マユミさん(47)と祖母、好美さん(75)はそれぞれ頭部に矢が1本、弟、英志さん(22)は頭に2本刺さった状態で死亡、一命を取り留めた伯母も首に矢が1本刺さった状態で助けを求めた。
住民らによると、野津容疑者は宝塚市内の中学時代はサッカー部に所属。進学した高校で指導した男性(60)によると、授業中の態度も良く、「大人びた考えをする子だと感じていた」という。神戸市内の大学に進んだとされるが、家庭では介護問題を抱えていたとの情報もある。近所の40代女性は「祖母がほぼ寝たきりだったようで、母親が熱心に介護しているんだなと思った」と話す。
現場の住宅は祖母の1人暮らしだったが、数年前に野津容疑者らが引っ越してきて同居するようになったという。家庭をめぐるトラブルがあったとする人もおり、近くの主婦は「現場の住宅に何回も警察官が来ていた。近所からクレームが入っている感じだった」と明かした。
殺傷力の強いボーガンが凶器として使用された事件は少なくない。日本国内では、ボーガンはスポーツ用品として流通。青少年への販売を禁止する店もある。オンラインストアでは数千円から1万円程度で購入できるようだが、一部店舗では販売を中止していた。
弁護士の高橋裕樹氏は「条例で青少年への販売を禁止する自治体もあるが、成人には法規制はない。ただ、ボーガンを隠して持ち歩けば軽犯罪法違反、露骨に持ち歩けば自治体が定める迷惑防止条例違反に当たる可能性もある」と解説する。
猟銃や空気銃を保有するには銃刀法に基づき公安委員会から使用目的所持の許可が必要だが、ボーガンについて前出の高橋氏は「これまで本格的な法規制を求める声が高まっていないうえ、弓道やアーチェリーに用いる弓矢もあるなかで、ボーガンだけ取り締まるのも難しいのではないか」と指摘した。