国際線運休で帰れない…関西のベトナム人技能実習生、生活困窮深刻に

新型コロナウイルス感染症の影響で国際線が運休し、帰国できない技能実習生たちが苦境に陥っている。
ベトナムから3年前に来日したチャン・ディン・ハイさん(25)は、4月初めまで滋賀県内の工場で電子部品の製造などに従事していた。期間の終了と同時に帰国する予定だったが、日本と母国を結ぶ定期便がコロナ禍で運航を停止し帰れなくなった。
同じように帰国がかなわなかったベトナム人14人が、大阪の受け入れ機関が用意した大阪市生野区内のマンション3室に分かれて入居。既に2カ月がたとうとしている。家賃は受け入れ機関が負担するが、日々の生活費は自己負担のため、お金を出し合って近くのスーパーなどで食材を購入。部屋ごとに自炊している。
兵庫県内で5年間、自動車部品の製造をしたというヴォ・ドゥック・ティンさん(32)は「貯めたお金は先に国の家族に送ってしまい、手元にはほとんど残ってない」といい、「早く10万円の特別定額給付金が支給されればいいのだが」と顔を曇らせる。
ベトナムからの留学生らを主に支援する神戸市のNPO法人「日越交流センター兵庫」の鳥本敏明理事は、「新型コロナによる留学生や実習生らの困窮は深刻で、2、3カ月も待てる余裕はない。迅速に支給できる仕組みを考える必要がある」と指摘する。
兄が東海地方でエンジニアとして働いているというハイさんは、いつか再び来日し、自らもエンジニアになるのが夢だ。「日本は暮らしやすい国で、いつか戻ってきたい。でも今は一刻も早くベトナムに帰りたい。心配している家族を安心させたい」と話している。【高田房二郎】