熊本市動植物園は9日、同園で飼育していたウンピョウの雄「ジュール」が6日に死んだと発表した。ジュールは、よこはま動物園ズーラシア(横浜市)から熊本に来た直後の2016年4月、熊本地震で被災。その後、福岡市動物園で2年6カ月の避難生活を余儀なくされながら、多くの人に愛された。
ジュールは16年3月に双子の妹の「イーナ」と共に熊本市動植物園に来たが、一般公開前の4月14、16両日に最大震度7を観測した熊本地震で被災した。同園は獣舎などが大きな被害を受け、ジュールとイーナは福岡市動物園に避難。市民らからは「ウンピョウは元気ですか?」など、気遣う声が多く寄せられ、8月に一般公開後は人気者になった。2頭は18年10月に熊本に戻ったが、イーナは19年5月に死んだ。
ウンピョウは食肉目ネコ科で東南アジアや中国などの森林に生息。よこはま動物園によると、日本国内で飼育されているのはジュールを含めて6頭だけだった。ジュールはウンピョウとしては高齢の15歳で、6月に入って急に食欲が低下し、6日早朝に息を引き取った。
飼育担当の檜垣(ひがき)智行さん(53)は「厳しい環境に置かれてかわいそうだったが、長生きしてくれ、皆さんに可愛がってもらった」と惜しんだ。【樋口岳大】