インターネットカフェの営業自粛に伴い、寝泊まりする場所を失った人向けに東京都がホテルを無償提供する事業を巡り、都が滞在期限を延長したのに、新宿区が利用者に伝えていなかった問題で、同区の吉住健一区長は9日、「寄り添った対応ができず、おわび申し上げる」と陳謝するコメントを発表した。利用者に対し、宿泊料(1泊3500円)を宿泊できなかった期間分、現金で支給する。
休業要請期間が長引いたため、都は5月22日、滞在期限を31日から6月7日に延長すると各自治体に通知。区は5月29日、区の窓口を通じてホテルを利用した172人のうち、生活保護を申請していなかった98人に対し、延長の事実には触れず、6月1日朝にチェックアウトし、生活相談の希望者は福祉事務所に来るように促す文書を配布した。
98人は同日朝にホテルを出て、うち21人が8日までに福祉事務所へ相談に訪れ、一部は区職員に促されてホテルに戻った。しかし残りの77人はホテルを出たままで、一部は連絡先もわからないという。
区によると、ホテル退出前に福祉事務所に相談に来た利用者に対し、区職員が「生活保護を申請しなければホテル利用を延長できない」と説明していた事例も明らかになっており、区は一連の対応を検証するという。区生活福祉課の片岡丈人課長は「本当に困窮している人は事務所に相談に来ると考えており、相談に来た人にはホテルに戻れることを伝える運用にしていたが、全く違った対応になり不適切だった」と話した。