クラスター発生 「昼カラ」悪者扱いに不満の声 介護予防や憩いの場なのに…

札幌市で2件のクラスター(感染者集団)を含む多数の感染者が発生したことで注目された「昼カラ」。高齢者らが日中にカラオケを楽しめ、介護予防や地域の憩いの場でもあり、悪く目立ってしまうことには、店や利用客からは不満や戸惑いの声が上がる。
「お久しぶりー。3カ月ぶりだね」。11日午後、旭川市でカラオケ喫茶を経営する田口美由紀さん(52)は常連客を出迎えた。店は3週間の休業を経て5月15日から再開した。休業中には高齢の常連客から「コロナのため娘が遊びに来なくなった。寂しい」と電話が入り、世間話に付き合ったことも。
同市では4月17日以来、感染者が出ておらず、道の休業要請が5月末で全面解除されると、正午から閉店の午後4時まで利用客は平均十数人。ようやく客足が徐々に戻ってきたのを実感するようになった。回復の理由の一つとして田口さんは「学校が再開され『外出してはだめ』と諭す家族がいないため」と明かす。
昼カラを悪者扱いする声もあるが、カラオケを楽しんでいた常連客の男性介護職員(50)は「世話をしていた50代の男性が店で歌うことでうまく話せるようになった」と、対人コミュニケーションを促す効果に目を向ける。
自粛の影響で4月に閉店した近所の同業者を思いやり「コロナが早く全面終息してほしい」と願う田口さん。カウンター席は1席間隔とし、マイクをこまめに拭くなど感染防止には配慮しているものの、「旭川ではしばらく感染者は出ていない」と戸惑いを隠さず、「大声で歌わない、会話はしないでは、店を開ける意味がない」と不満混じりの本音を漏らす。【渡部宏人】