坂口杏里 コロナでもホストに通う女性の気持ち「凄くわかる」

「初回どうですか」──行きかう女性たちにキャッチが声をかける。有名ホストクラブが入るビルの下では、黒いマスクをしたホストの集団と若い女性たちが談笑している。6月8日、深夜の新宿・歌舞伎町の光景だ。
東京都は6日、集団感染が確認されたうちの12人が同じホストクラブの従業員だったことを発表。歌舞伎町は「夜の街クラスター」の震源地となった。
その後の歌舞伎町は、「歌舞伎町一番街」入り口周辺は人がまばらなものの、人気ホストクラブが並ぶ通称「ホスト通り」では、冒頭のようにコロナ禍以前とそう変わらない光景が繰り広げられていた。
緊急事態宣言発令後、キャバクラやスナックなど、男性が通う「夜の店」は軒並み休業した。しかし、あるホストクラブ関係者は「うちは看板を暗くして営業しています」と声を潜める。この店のように、外からはわからないように営業を続けたホストクラブは多いという。
それは「感染してもいいからホストクラブに通い続けたい」という女性たちがいるからだ。
「緊急事態宣言が出てからも歌舞伎町に通い続けた」というマユミさん(仮名・メンズエステ従業員・22)はこう話す。
「こんな時だからこそ、“担当(のホスト)”を助けてあげなきゃいけないと思ったんです。普段だったら、私よりお金を使う“姫(ホストクラブに通う客)”も、私より綺麗で華やかな姫もたくさんいる。でも、彼女たちは感染を避けてお店に来なくなる。そんな中で私が頑張れば、担当にとって特別になれると思ったんです。
私のお給料では、そんなにシャンパンをポンポン開けたり、高いボトルを卸したりはできないけど、1回10万円いかないくらいを目処に、とにかくたくさん通えるよう頑張った。
ホストは売り上げだけじゃなく『指名本数』という何回指名されたかを競う成績もあるんです。担当から『オレのために頑張ってくれてありがとう。こういう大変なときに助けてくれるのが“本当の姫”なんだよ』と言われたときは、涙が出ました。感染することは怖くありません。感染も厭わないという覚悟を持って担当に会いに行っていますから」
前出のホストクラブ関係者が言う。
「コロナでむしろ、売り上げが上がった店舗もあります。女性客が通常時よりも頑張り、開店以来の収益があったそうです」
「私がこの人をスターにする」
「ホストに通い続ける女性の気持ちは痛いほどわかる」と話すのは、元タレントで、今はユーチューバーとして活動する坂口杏里(29)だ。
一時はホストクラブ通いで1000万円以上の借金を作り、その返済のためにAVデビューしたとも報じられた。
「私も一時期、ホストにハマっていました。カレ(ホスト)には出会ってすぐ一目ぼれ。初めての恋でした。カレのいる店には週に6回通い、ひと月で数百万は使っていたと思う。バースデーイベントでは、一晩で2000万円使いました。でも、カレに対する気持ちは『彼氏にしたい!』というものではなく『私がこの人をスターに育てる』という気持ちです。
この状況下で行って、もし私が感染して倒れたら、推しのホストも倒れちゃう。だから、私は店には行きません。でもリスクを負ってでも応援したい気持ちは、すごくよくわかります」
今宵も店内では“濃厚接触”が繰り広げられている。
※週刊ポスト2020年6月26日号