贈賄側のメーカー元役員ら2人に逆転無罪 阪大共同研究汚職 大阪高裁

大阪大と企業の共同研究を巡る汚職事件で、元教授への贈賄罪に問われた建材メーカー「JFEテクノワイヤ」(千葉市)の元役員ら2人に対し、大阪高裁(村山浩昭裁判長)は17日、有罪とした1審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。
2人は元常務の藤本隆史被告(65)と元部長の坂下幹雄被告(64)。2015~16年、当時現職だった大阪大大学院工学研究科の元教授に対し、建築部材に関する共同研究を受け入れてもらうなどの見返りに、計約190万円の賄賂を渡したとして起訴された。元教授は耐震工学の権威として、業界で知られていた。
2人は現金提供を認める一方、「賄賂ではなく、技術指導料で正当な対価だ」と否認。1審・大阪地裁判決(18年9月)は賄賂と認定し、藤本被告に懲役10月、坂下被告に同8月(いずれも執行猶予3年)を言い渡した。
しかし、高裁判決は2人が共同研究とは別に、同社の研究開発について技術指導してもらうため、元教授に報酬を支払ったと指摘。指導の実態があり、不当に高額ではないことも踏まえ、「指導料を賄賂とした1審の判断は誤っている」と結論付けた。
元教授は事件発覚後の17年に懲戒解雇された。今回の2人に加え、ゼネコンの担当者らから賄賂を受け取った収賄などの罪で、懲役3年、執行猶予5年の判決が確定している。【伊藤遥】