中洲のキャバクラでクラスター発生 感染客はなぜ店名を隠すのか?

九州随一の歓楽街、福岡市・中洲のキャバクラで、新型コロナウイルスのクラスターが発生。感染者6人が店名を明らかにしていないため、夜の街で感染拡大の不安が広がっている。

福岡市の30代男性2人は4日、東京から来た知人男性4人を連れて中洲地区のキャバクラを訪れ、後に6人全員の感染が確認された。

■「言いません」の一点張り 市も地元飲食店も困惑

福岡市の担当者がこう言う。

「6人に『店名を教えて欲しい』とお願いしましたが、示し合わせたように『言いません』『協力しません』の一点張りでした。教えられない理由が分かれば、他のアプローチの仕方もあるのですが、東京の4人が何の目的で福岡に来たのかも分かりません。6人は当初、言っていることが断片的で、キャバクラに行ったことも全員の話を統合してようやく判明しました」

保健所はあくまでも感染者に協力をお願いする立場で、行動歴や店名を明らかにさせる強制力はない。ただ店側が店名の公表を拒否するならまだ分かるが、客がかたくなに隠すとは何か事情があるのか。前出の市の担当者も困惑気味だ。

「店の特定ができないので、PCR検査を含めて対応のしようがありません。クラスターが発生している可能性もあり、中洲地区のキャバクラやクラブなど接待を伴う飲食店268店舗に対し、感染の不安があれば相談ダイヤルに連絡して欲しいという文書を配布し、注意を呼び掛けました。268店舗は市が店のHPなどからピックアップしました」

地元のラウンジの経営者も「腹が立ちますよ」とこう憤る。

「せっかく営業を再開してまた頑張ろうって時に、すごく不安ですよ。再び感染が広がると、店を続けるのは無理です。カラオケをやめ、店内を隅々まで消毒し、あちこちに消毒用ジェルを置いています。お客さんと従業員の検温を行い、距離をあけて接客しています。売り上げは8割減ですが、感染防止対策にはお金もかかります。だから余計腹が立ちます。店名が言えないなんてよっぽどの事情があるのでしょうが、その人たちが中洲のどこで食事をしたか、どこをウロウロしていたか、早く調べて欲しい」

6人は何を隠そうとしているのだろうか。