理不尽な人生、精いっぱい生きた… 「大来皇女の魅力、後世に」 三重・名張

三重県名張市の夏見廃寺が国史跡に指定されて30年になる今年、寺にゆかりのある大来皇女(おおくのひめみこ)を顕彰する市民団体「大来皇女をしのぶ会」が6年ぶりに活動を再開する。その第1弾として、市立図書館(桜ケ丘)ロビーで古代斎王の装束をまとった大来皇女像や史料などを並べた記念展示を開催している。休館日の22日を除く28日まで。
天武天皇の娘で初代斎王として伊勢神宮に仕えた大来皇女(661~702年)の発願で建立された昌福寺が現在の夏見廃寺とされる。謀反の疑いで自害させられた弟の大津皇子(おおつのみこ)をしのんだとされる和歌「磯の上に生(お)ふる馬酔木(あしび)を手折(たお)らめど見すべき君が在りといはなくに」は万葉集に収められており、1995年に歌碑が夏見廃寺敷地内に建立された。
しのぶ会は、この歌碑の建立実行委員会のメンバーだった菅井照代さん(65)らが97年に結成。大来皇女について外部から講師を招いて学習し、遺徳をしのぶ「馬酔木忌」を開催したり、皇女の人生を音楽と切り絵で表現する創作ファンタジー「ひめみこ物語」や古代斎王の衣装を制作するなどしてきた。菅井さんは皇女について「理不尽な人生を歩みながらも与えられた環境で精いっぱい生きた人」とその魅力を語る。
2014年に市から特別表彰を受けたことなどを契機に活動を休止し、充電期間に入っていたが、「子や孫に名張の素晴らしさを伝えたい」と願う菅井さんが再開を決め、新たな会員を募集することにした。夏見廃寺や皇女を全国に、後世に語り継ぐためのイベントや情報発信を行う方針で「皇女のために力を貸してくれる人に集まってほしい」(菅井さん)という。
問い合わせなどは菅井さんの携帯電話(080・5161・4147)へショートメッセージを送ると返信がある。【衛藤達生】