「救えた命だった」 兵庫・宝塚中2自殺 市第三者委、学校や市教委を厳しく批判

「救えた命を救えなかった」。兵庫県宝塚市立中学校2年の女子生徒(当時14歳)が自殺した問題は発生から約3年半を経た22日、再調査していた市の第三者委員会が報告書を公表した。再調査委は「(女子生徒への)いじめによって自死したのは明らか」と両者の関連を明確に認め、学校や市教委を厳しく批判。遺族は教員らに向け「娘の自死は偶然が重なった結果でなく、起きるべくして起きた悲劇だった」と反省を求めた。
「生徒指導とは名ばかりで、いじめを放置し続ける無責任がまかり通る学校だった」。女子生徒の遺族はこの日発表したコメントでこう言及した。「自死の1年前にしっかり対応していれば、いじめの連鎖を食い止め、娘に対するいじめは予防できたはず」。教員や学校、市教委を強く批判する言葉を続け、「『二度と繰り返さない』という言葉を現実のものにするため、学校システム全体の改革も必要だというのが遺族の切実な願いです」と訴えた。
再調査委は、生徒と保護者、教員、市教委職員計46人から聞き取りを実施。遺族に寄り添うことに重点を置き、6回の話し合いを持った。報告書では、女子生徒に対するいじめ25件を認定し、部活内での女子生徒以外へのいじめ22件を掘り起こした。遺族代理人の石田達也弁護士は記者会見で、再調査の報告書を「私たちも知らなかった、多くの(いじめ)事実を認定した」と遺族が高く評価していると説明した。
再調査委の春日井敏之委員長(立命館大大学院教授)は記者会見で「無視や陰口、悪口、仲間はずれといったいじめは、一つ一つはよくあることで、ひどくならないためには我慢した方がいいと思うかもしれない。しかし、そうしたいじめが繰り返され、拡大する中で『いじめの構造』が作られ、女子生徒は追い詰められた」と指摘した。【土居和弘、井上元宏】
対応検証委設置へ
宝塚市の中川智子市長は22日、これまでの市教委のいじめ未然防止や発生後の対応を検証する委員会を設置する方針を明らかにした。いじめ問題再調査委が報告書で提言したもので、「報告書を読み、救える命だったと痛感している。市教委や学校現場で子どもの苦しみをキャッチするアンテナがさび付いており、改革が必要だ」と強調した。
検証委員会は、市長と教育委員会で構成する総合教育会議の下に設置する。再調査委の春日井敏之委員長は22日の記者会見で、今回の事案で学校の事実確認など初期対応が甘かった上、市全体のいじめ認知件数があまりにも少ないと指摘。こうした点も含め、市教委全体のいじめ対応を検証する。22日会見した、市教委の森恵実子教育長も「市の教育のあり方を再度見直したい」と誓った。
いじめなどの相談窓口
・24時間子供SOSダイヤル=0120・0・78310(なやみ言おう)、年中無休、24時間
・児童相談所全国共通ダイヤル=189(いち早く)、年中無休、24時間
・子どもの人権110番=0120・007・110、平日午前8時半~午後5時15分
・チャイルドライン=0120・99・7777、毎日午後4~9時(18歳まで)