河野防衛相は25日午前、自民党の国防部会と安全保障調査会の合同会議に出席し、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の秋田、山口両県への配備計画を撤回すると表明した。他の候補地の選定も困難として、配備を事実上断念する。政府・与党は、新たな安全保障戦略の議論を本格化させる。
河野氏は会議の冒頭、24日に開かれた国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合で協議した内容を説明した。河野氏は「山口県、秋田県へのイージスアショアの配備を撤回する決定に至った」ことを明らかにした上で、「こうした事態に至ったことを深くおわび申し上げる」と陳謝した。
今後のミサイル防衛の在り方については、河野氏は「当面、イージス艦と(地対空誘導弾の)PAC3で防護しながら、この後どうするか、しっかり議論してまいりたい」と述べた。
河野氏は会議後、防衛省で記者団に対し、イージスアショアの秋田、山口両県以外への配備について「代替地を見つけることは極めて困難との見通しを持っている」と明言した。
関係者によると、24日の4大臣会合では、配備計画の代替案として〈1〉他の候補地への配備〈2〉イージス艦の増艦〈3〉他の手段による防護――が議論された。〈1〉については、他の候補地を選定するのは困難との見通しが報告され、〈3〉については、米国のミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備も念頭に議論された。
安倍首相は18日の記者会見で、攻撃を受ける前に相手の拠点をたたく敵基地攻撃能力保有も視野に新たな安全保障戦略の議論に着手する考えを表明している。
政府は今後、敵基地攻撃能力の保有の是非、代替のミサイル防衛体制について集中的に議論し、9月末をめどに結論を出す方針だ。
自民党もミサイル防衛に関する検討チームを設ける。敵基地攻撃能力の保有を含めて検討し、7月中に政府に提言する予定だ。
河野氏は25日午後、敵基地攻撃能力の保有に慎重な公明党に対して、一連の経緯を説明する。