「小池知事と職員の乖離は都政史上最悪」取材25年の葉上太郎氏がバッサリ

「都知事、不思議の国のあるじ」(公職研)。こんなタイトルの書籍が知事選告示翌日の19日に発売された。著者は青島幸男、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、小池百合子の5人の知事をウオッチしてきた都政取材25年の地方自治ジャーナリスト・葉上太郎氏。葉上氏いわく、タイトルは、「小池ワンダーランド」のおかしさと人口1400万人の巨大自治体ながら、住民が都庁をほとんど分かっていないことを意図したという。

「他の46道府県と比べ、都民にとって都庁は遠い存在。都知事は他に比べ、財政力など強大なパワーを持っている。それなのに都民の関心を集めるのは4年に1度の知事選ぐらいなものです」(葉上太郎氏)

■都知事は「鶏のとさか」

本には都知事のことを「鶏のとさか」と評した都庁の元幹部職員の話が出てくる。

「青島氏以降の都知事は目立つことをやりたいだけで、それ以外に関心がない。職員はそれを虚飾して、いかに目立たさせてあげるかを考えている。でも、とさかが勝手に何をやっていようが、肉体である職員が通常の仕事を動かしているから都政が回っていくのです。それが究極に至ったのが小池都政。『小池知事と職員の乖離は都政史上最悪。石原都政は良かった』という表現で現状の酷さを訴える職員がいるほどです」(葉上太郎氏)

都知事選(7月5日投開票)は小池氏優勢の情勢だが、再選しても、新知事が誕生したとしても、舵取りはかつてないほど難しい。

「都庁のパワーの源泉はお金。法人2税(法人事業税と法人都民税)なのですが、景気の変動を受けやすく、リーマン・ショック時は単年度で1兆円もの減収でした。そうしたジェットコースターのような財政構造なので基金を積んで備えてきましたが、今回のコロナ禍で1兆円近くを放出してしまった。危機の財政出動は必要な施策ですから想定通りとしても、この先の第2波には対応できるのか。そう考えると来年、五輪をやっている財政的余裕があるのか、ということです。今後の動向次第で、東京都は破綻しかねない状態にあります」(葉上太郎氏)

「築地は守る」を放り投げ、東京アラートなど“やってる感”に終始する小池氏には荷が重い。