【沖縄が危ない!】中国の脅威を軽視!? 玉城知事がツイート「中国が沖縄を侵略している事実はありません」 沖縄の大手メディアが全く問題視しないワケ

中国の軍事的脅威が高まっている。沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域で29日、中国海警局の武装公船など2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認。77日連続で、尖閣国有化後の最長日数を更新したのだ。中国海警局は機構改革で武装警察に編入され、有事の際は、中国人民解放軍の指揮下に入り一体的に運用される。国と沖縄県は領土・領海を守り抜く具体的対応をとるべきだが、玉城デニー知事は中国の脅威を軽視するような言動が見られるという。八重山日報の仲新城誠編集長は緊急連載「沖縄が危ない!」で、現地の危機的状況と、沖縄本島と離島の間にある歴史的意識に迫った。 「中国が沖縄を侵略している事実はありません」-。沖縄県の玉城知事は5月末、ツイッターでこう発信し、ネット上で波紋を広げた。「尖閣の状況については海上保安庁が我が国の領土・領海を守るため鋭意対応しています」とも強調した。 中国公船が尖閣周辺海域に領海侵入し、地元漁船を追尾する事件があった直後のタイミングだ。 5月には、中国海軍の空母を含む艦隊や艦船が沖縄本島と宮古島間を通過し、太平洋へ向かう姿も確認された。この挑発行為に対しても、玉城知事は「艦船が国旗を掲げて通行する権利は国際法で認められています」と、抗議する姿勢を見せなかった。 玉城知事のツイートは、一般論としては正しい。だが、政治的には重大な過ちを犯している。中国の脅威にさらされる宮古、八重山諸島の離島住民の不安を無視し、中国に寄り添っている印象を与えるからだ。 仮に、北方領土や竹島を抱える北海道や島根県の知事が、ロシアや韓国寄りの発言をすれば、とても、ただでは済まない。 知事はのちに当該ツイートを削除したが、私が驚いたのは、県内では大手メディアを含め、知事の言動を問題視する動きがほとんどなかったことだ。 玉城知事個人の国防意識を問う気はない。知事の国防意識を変だと思わない県民の感覚こそ、実は一番変ではないか。 根底には何があるのか。 八重山に本拠を置く記者として私が感じるのは、沖縄本島住民が宮古、八重山に対して抱く歴史的な「離島差別」意識だ。 首里城にあった琉球王府は一貫して離島を辺境とみなし、本土の江戸時代から約260年間、宮古、八重山に対して「人頭税」という頭割りの過酷な税を課した。人頭税は明治維新後まで存続し、離島住民は塗炭の苦しみをなめた。 それだけでなく、沖縄復帰前まで、本島では離島出身者が就職や結婚で差別されることがあった。現在でも「離島の政治家は知事にはなれない」などと言われている。
中国の軍事的脅威が高まっている。沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域で29日、中国海警局の武装公船など2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認。77日連続で、尖閣国有化後の最長日数を更新したのだ。中国海警局は機構改革で武装警察に編入され、有事の際は、中国人民解放軍の指揮下に入り一体的に運用される。国と沖縄県は領土・領海を守り抜く具体的対応をとるべきだが、玉城デニー知事は中国の脅威を軽視するような言動が見られるという。八重山日報の仲新城誠編集長は緊急連載「沖縄が危ない!」で、現地の危機的状況と、沖縄本島と離島の間にある歴史的意識に迫った。
「中国が沖縄を侵略している事実はありません」-。沖縄県の玉城知事は5月末、ツイッターでこう発信し、ネット上で波紋を広げた。「尖閣の状況については海上保安庁が我が国の領土・領海を守るため鋭意対応しています」とも強調した。
中国公船が尖閣周辺海域に領海侵入し、地元漁船を追尾する事件があった直後のタイミングだ。
5月には、中国海軍の空母を含む艦隊や艦船が沖縄本島と宮古島間を通過し、太平洋へ向かう姿も確認された。この挑発行為に対しても、玉城知事は「艦船が国旗を掲げて通行する権利は国際法で認められています」と、抗議する姿勢を見せなかった。
玉城知事のツイートは、一般論としては正しい。だが、政治的には重大な過ちを犯している。中国の脅威にさらされる宮古、八重山諸島の離島住民の不安を無視し、中国に寄り添っている印象を与えるからだ。
仮に、北方領土や竹島を抱える北海道や島根県の知事が、ロシアや韓国寄りの発言をすれば、とても、ただでは済まない。
知事はのちに当該ツイートを削除したが、私が驚いたのは、県内では大手メディアを含め、知事の言動を問題視する動きがほとんどなかったことだ。
玉城知事個人の国防意識を問う気はない。知事の国防意識を変だと思わない県民の感覚こそ、実は一番変ではないか。
根底には何があるのか。
八重山に本拠を置く記者として私が感じるのは、沖縄本島住民が宮古、八重山に対して抱く歴史的な「離島差別」意識だ。
首里城にあった琉球王府は一貫して離島を辺境とみなし、本土の江戸時代から約260年間、宮古、八重山に対して「人頭税」という頭割りの過酷な税を課した。人頭税は明治維新後まで存続し、離島住民は塗炭の苦しみをなめた。
それだけでなく、沖縄復帰前まで、本島では離島出身者が就職や結婚で差別されることがあった。現在でも「離島の政治家は知事にはなれない」などと言われている。