美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(75)は2日、愛知県議会の議会運営委員会で、大村秀章知事の不信任議決を求める請願の陳述を行った。高須氏は現在、大村氏のリコール(解職請求)運動を展開している。大村知事が、昨年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、昭和天皇の写真をバーナーで焼き、灰を足で踏みつけるような映像作品などの公開を認めたことが許せないのだ。県議会にも行動を求めたのだが…。
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「陛下のお写真に火を付け、踏みにじる行為は明確な日本と日本国民への侮辱」「祖国を守るために命を落とされた英霊を侮辱する行為は日本人なら誰もが怒りに震える」「反日プロパガンダ作品を愛知県民の税金を使って開催した主宰者は日本人なら許せない」「日本を愛する人々を深く傷つけました」「責任を取らず、開き直っている大村秀章愛知県知事は私にとって国賊と呼ぶべき存在であります」
高須氏は、廊下にも聞こえるほどの声で、このように陳述した。「全身がん」で闘病中とは思えない気迫だった。
だが、県議からは「トリエンナーレだけで信任・不信任を決めるべきではない」という意見が出され、全員一致で請願は不採択となった。
委員会終了後、高須氏は記者団に次のように語った。
「初めから、こういう結果になるだろうと思っていた」「県議会に『自分たちも大村知事に抵抗した』というアリバイを作ってあげるための請願だった」「これを蹴飛ばしたということは、日本中が『愛知県民は、なんて悲しい人たち(=知事と県議)を選んだのだ』と思うだろう」
ただ、高須氏を元気にさせる出来事もあった。
この日の委員会、傍聴を希望して35人が集まったが、一般傍聴席は10席しか用意されていなかった。陳述者の席はなく、譲り合いも禁止のため、高須氏が最後の採択まで聞くには一般傍聴席を確保するしかなかった。
そこで、高須氏は、傍聴希望者一人ひとりに頭を下げて回った。すると、「僕、譲りますよ」「リコール運動、頑張ってください」などと25人の辞退者が出て、無事、一般傍聴席を確保できたのだ。
地元メディアは、高須氏がリコール運動を始めた真意をほとんど報じていない。まさに、「報道しない自由」を行使している。
だが、夕刊フジやインターネット番組「真相深入り 虎ノ門ニュース」の報道や、SNSでの発信を通じて、多くの愛知県民が問題意識を持ち始めつつある。
高須氏が代表を務める政治団体「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」は現在、8月1日の署名開始に向けて、署名を集める「受任者」の募集用はがきを配布している。今週中には名古屋市全域にほぼ配り終え、2週間ほどで県内全域の配布完了を目指す。
最後に、夕刊フジ独占で、次のように語ってくれた。
「今日の委員会で分かったことは、県議の方々は、ただ座っているだけで給料がもらえる、いいビジネスだということ。地元メディアも、陛下を侮辱する映像作品について伝えない。まだ、僕が何に激怒しているかを理解していない県民もたくさんいる。もっと、この事実を知らせなければならない。(がんの闘病と活動の両立は)大変だが、根性で気合入れるとすごく元気になる。今後も、さまざまな“作戦”を用意している」
■河村市長「どえりゃあ頼むよ」
名古屋市の河村たかし市長は2日、高須院長による請願不採択を受け、「高須先生きょう 愛知県議会愛知県知事辞職請願演説。愛知県議会あっさり否決。ほんだけど ホントに高須先生 私利私欲なし。日本の未来考える。河村たかし よく言うけど『ウソに包まれた日本政治』河村たかし高須先生 全力応援しとる。どえりゃあ頼むよ」とツイートした。