「東京アラートを制定した際、小池知事は積極的に関わったのに、先月30日に発表した新たな7つのモニタリングには関与せず、最後に了承しただけでした」――ため息交じりに話すのは東京都のある職員だ。
新型コロナウイルスの感染拡大防止に飽きたのか、やる気を失っているのか、都知事選に集中したいのか。あるいは全てが当てはまるのか……。いずれにせよ、もはや小池知事は都のトップとしての役割を放棄しているようだ。
「知事は1週間以内に、病床の確保レベルを最大3000床の『レベル2』に上げる準備を進めるよう指示しましたが、そう簡単にできる話ではないんです」
そう打ち明けるのは、福祉保健局の幹部職員である。こう続けた。
「春先の感染ピーク時には、3000床を確保するまでに、約1カ月を要しました。まず民間の医療機関は感染者を受け入れると、一般の外来診療に支障が出て経営難に陥りかねない。だから、なかなか要請しづらい。どうしても感染症指定医療機関の大半を占める都立・公社病院頼みとなりがち。そこで病床を確保できても感染リスクがあるため、医療スタッフを揃えるのも一苦労。スピード対応したくても、厳しいのが実情です」
現場の痛みを知らないし、知ろうともしないトップの下で働く職員たちは不幸だ。
「そもそも、東京アラートの発動に意味はあったのか。大阪府の吉村知事に刺激され、都独自の警戒基準を設けましたが、解除後にあっさり撤廃。東京アラートの明確な数値基準が、『新モニタリングには数値基準がない』と批判を招く要因にもなっています。東京アラートのインパクトが強烈すぎて、今後の感染防止策の邪魔になりかねません」(東京都コロナ対策本部の関係者)
都職員から湧き上がる小池知事への怨嗟の声。やる気も深い考えもない思い付き知事なんて「辞めちまえ!」が、彼らの本音ではないか。