死亡した消防司令ら4人、火元見えず倉庫内へ…爆発音の後は無線不通

静岡県吉田町川尻の家庭用品メーカー「レック」(本社・東京)の工場倉庫が燃えて4人が死亡した火災で、延焼防止のための重量シャッターが下りて外部から火の状況が確認できなかったことから、消防署員ら4人が内部の様子を調べに倉庫内に入ったとみられることが捜査関係者への取材でわかった。4人が2階に行った後に1階で爆発的な炎が発生し、黒煙で視界を失って逃げられなくなった可能性があるという。
静岡市消防局は倉庫内で、空気不足の室内に新たに空気が入って爆発的な燃焼が起きる「バックドラフト」や、室内が高温になって急速に火災が広がる「フラッシュオーバー」が起こった可能性を指摘した。
5日午前1時半頃に発生した火災は、約30時間後の6日午前7時過ぎにようやく鎮火した。県警によると、長時間燃え続けたことで、内部には高熱の場所が残るほか、床が崩壊する危険があるという。このため、一定の期間をおいて現場検証などを行う方針だ。
今回の火災は、発生直後に倉庫の異常を知らせる警報が鳴り、駆けつけた警備会社が倉庫内で延焼防止のシャッターが下りたことを確認。消防などに通報し、静岡市消防局吉田消防署の署員らが出動した。建物から煙が上がっていたものの、火の手が確認出来なかったため、消防司令の万年章人さん(52)ら男性署員3人と県警牧之原署地域課の巡査長関口孝隆さん(43)の4人が2階に上がっていった。
当時は、1階部分にも複数の隊員らが入っていった。約10分後に1階部分で爆発音が聞こえ、しばらくすると万年さんらと無線での連絡が取れなくなったという。
4人とみられる遺体は消防によって5日夕に発見された。1階への階段から離れた場所で、逃げ道を見失った可能性がある。
レックの担当者は「現時点でシャッターの設置時期は不明」としており、7日に県内で記者会見を開いて倉庫の状況などについて説明する方針だ。県警は今後、業務上過失致死容疑での立件も視野に、防火体制などの捜査を進める。