ソフトバンク元社員がロシア側の求めに応じて会社の機密資料を持ち出した事件で、不正競争防止法違反(営業秘密領得)に問われた同社元社員の荒木豊被告(48)に対し、東京地裁は9日、懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円(求刑・懲役2年、罰金100万円)の判決を言い渡した。
赤松亨太裁判官は「営業秘密を漏えいし、ソフトバンクの信頼を低下させる犯行で、影響を軽視できない」と述べた。
判決によると、荒木被告は2019年2~3月、千葉県内の自宅から同社のサーバーにアクセスし、電話基地局に関する作業手順書など営業秘密を含むファイルを表示した画面をデジタルカメラで撮影。記憶媒体に複製した。
先月16日に開かれた初公判での検察側の冒頭陳述などによると、荒木被告は親しくなったロシア人の男からIT関係の情報を集めるよう依頼され、報酬と引き換えに同社の営業秘密も提供するようになったという。
捜査関係者によると、男は在日ロシア通商代表部の元代表代理。2月の出国後、警視庁が同法違反教唆容疑で書類送検したが、東京地検が今月2日、「再入国の見込みがないことを考慮した」などとして不起訴とした。