検査結果見落とし最長6年 旭川医大病院 死亡事例、2年間公表せず

北海道旭川市の旭川医科大病院で検査報告書の確認不足によって、がんの疑いを指摘された患者8人の治療に影響した問題で、病院は10日、記者会見し、死亡した3人のうち80代男性は診断の遅れが死亡に影響したとの見方を示した。見落としは最長で6年1カ月間に及び、死亡事例を2年間公表していなかった。
病院によると、見落としがあったのは病理組織やコンピューター断層撮影(CT)の検査報告書。2016年に患者(性別年代は非公表)の検査で初めて見落としが判明した。病理医が11年に検査し報告書を作ったが、担当医は電子カルテの報告書を確認していなかった。電子カルテを全面導入した14年1月~18年11月の全ての報告書などを調べた結果、担当医が確認を怠り、8人の診断が遅れ、3人の死亡が判明した。
このうち80代男性は14年に内視鏡検査を受け、食道に病気の疑いがあり、病理医ががんの可能性を指摘する報告書を作成したが、担当医が報告書を確認せず、がんと診断されなかった。男性が18年に「食事がうまく食道を通らない」と訴え、再度内視鏡検査をしたところ、食道がんが判明し、同年に死亡した。病院は「最初の検査で処置していれば助けることができた可能性がある」と結論づけた。
亡くなった他の2人については「診断遅れが死亡につながった可能性は否定できない」と説明するにとどまった。
古川博之院長は、見落としなどのミスの原因を「システム上の不備」とした。「再発防止策のため、電子カルテにひも付けされた報告書が未確認の場合に注意喚起をするソフトウエアを開発した」と説明した。公表が遅れたことについては「対策を打たず、原因を調べないまま公表するのは誰のためにもならないと考えた。患者さんや家族の方々に、公表の意向を確認するのに時間がかかった」などと釈明した。【源馬のぞみ】