「黄信号」大阪・ミナミはマスクなし、集う姿も

新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、自粛要請の基準「大阪モデル」に基づく「黄信号」を、緊急事態宣言後に初めて点灯させた大阪府。若い世代を中心に感染が広がり、14日には20人の新規感染が確認された。吉村洋文知事が「感染震源地」と位置付けた、夜の繁華街のひとつ大阪・ミナミはどのような状況なのか。(木下未希)
14日午後6時半過ぎ。ミナミの繁華街、道頓堀は連日続いた雨もあがり、仲間らと連れ立って歩く若者でにぎわっていた。マスクをつけずに歩く人や客引きも目立つ。
大阪市中央区の飲食店経営の男性(26)は「宣言中は店も全て閉店していたので家でおとなしくしていたが、解除後は完全に気が緩んでしまった。今ではマスクをせずに外に出歩くことが多くなった」と話す。
若者が多く集うアメリカ村の御津公園(通称・三角公園)では缶ビールを手に、地べたに座るグループの姿も。兵庫県西宮市から来た派遣社員の男性(26)は「『黄信号』が点灯したこと自体知らなかった。自粛期間があまりにも長かったので解除後は何も気にせず遊んでいる」と話した。
府内での感染確認は14日で計2065人。府は夜の繁華街で、感染対策が不十分な飲食店を通じ、若者の感染が増えているとみている。大阪府の吉村洋文知事や大阪市長の松井一郎市長は、感染拡大を早期に押さえ込むために、夜の繁華街にPCR検査所を設ける考えを示している。
夜の繁華街で営業を続ける飲食店関係者からは不安や困惑の声があがった。
ミナミの「串かつだるま 法善寺店」の男性店員(44)は「ようやく営業を再開したばかり。徐々に客足も戻ってきたところだったのに、また休業になるのは困る」と不安な表情を浮かべる。同店は4月3日から6月25日まで臨時休業。再開にあたっては、客が共用で使うソース容器を撤去し、小分けのボトルに入れて提供。また席ごとに飛沫感染を防ぐ透明の仕切りを設けるなど徹底した対策を講じた。
男性店員は「東京の感染者が増加していたので、大阪もそろそろ危ないかなと思っていたが、こんなに早く『黄信号』が点灯してしまうなんて。感染予防対策は取りつつ、これ以上増加しないことを願うしかない」と話した。
アメリカ村でバーを営む男性(43)は「東京に比べて大阪は感染者が抑えられており、終息に向かうと思っていたので正直ショック」と話し、「高齢の両親と暮らしている。感染者が増加すると、店も従業員も再び厳しい状況になる」と声を落とした。