「長崎みなとメディカルセンター」で長崎県内初のクラスター 外来機能、全面停止

長崎市の長崎みなとメディカルセンターで新たに5人の新型コロナウイルス感染が確認され、院内感染者は計8人になった。大型クルーズ船「コスタ・アトランチカ」での集団感染を除き、県内で初めてクラスター(感染者集団)が発生した。センターは救命救急を含む外来機能を全面停止し、5人の接触者調査を進めているが、全職員だけでも1000人を超え、既に退院患者もいるため、さらに感染が拡大する恐れもある。【今野悠貴】
「感染症指定医療機関としてあってはならないこと。市民の命と健康を守る使命を果たせず市民におわびする」。12日夜の記者会見で、センターを運営する市立病院機構の片峰茂理事長は謝罪した。
機構によると、集団感染は内科病棟で起きたとみられる。既に感染が判明していた1人に加え、11日に20代男性医療スタッフと、男性の診療を受けた男性患者の感染を確認。2人の接触者157人を検査したところ、12日に同じ病棟の4人の感染が発覚した。感染者には医師2人や看護師が含まれているという。
このうち11日の20代男性スタッフは、3日に感染が発覚した、長崎大病院で実習中の男子大学生と6月28日に市内で会食しており、店内には他の客もいた。だが、男性スタッフがセンターに会食の事実を報告したのは7月11日になってからだった。男子学生も同日、「(会食を)思い出した」と市保健所に報告した。
感染拡大のリスクが高いとみられるのが、医師が待機する医局だ。全医師124人に加え、研修医や業者などが同じフロアを出入りしており、食事の時や更衣室ではマスクを外して話すこともあったという。
市内の感染症指定医療機関はセンターと長崎大病院のみ。県によると県内では23病院の計307床でコロナ患者を受け入れ可能で、県は「直ちに病床が逼迫(ひっぱく)する恐れは低い」としている。だが、センターの外来再開までには少なくとも1カ月以上かかるとみられ、一般診療への影響や地域の中小規模病院へのしわ寄せは避けられそうにない。
<クラスター(感染者集団)発覚までの経緯>
6月28日 長崎市内でBが長崎大生と会食
7月3日 長崎大生の陽性確認
~6日 Bが夜勤でCを診療。Bが発熱し自宅待機に
10日 Aの陽性確認
11日 Bが長崎大生との会食をセンターに報告。Bの陽性確認。体調が悪化したCの陽性確認。Aの接触者は全員陰性。長崎大生が市にBとの会食を報告
12日 B、Cの接触者調査で同じ病棟にいたD、E、F、Gの陽性確認。センターは外来を当面休止
*A=20代女性医療スタッフ、B=20代男性医療スタッフ、C=男性患者、D=20代男性医療スタッフ、E=40代男性医療スタッフ、F=20代女性医療スタッフ、G=70代女性患者