鹿児島・奄美大島に生息する国の特別天然記念物、アマミノクロウサギの交通事故が今年増えている。環境省によると、5月末現在で17件と昨年同期の8件から倍増。昨年1年間の22件に迫っていることから、環境省と地元の瀬戸内町が町内の2路線に看板を設置し、ドライバーに注意を促している。
環境省によると、今年の死体確認件数は42件で交通事故が約40%を占める。他は原因不明が24件などだが、不明にも交通事故が含まれる可能性が高いとしている。昨年の死体確認件数は61件だった。
事故の増加について、同省は外敵のマングースやノネコの駆除・捕獲が進み、クロウサギの個体数や生息域が回復しているのが要因と推測する。「山中の道路沿いだけでなく、国道、県道など主要道でも出没し、事故が発生している」とみる。
事故防止の看板は、目撃情報や交通量の多い瀬戸内町の林道に3基、町道に2基設置し「速度を落とそう」などと呼びかけている。環境省奄美群島国立公園管理事務所の早瀬穂奈実国立公園管理官は「ドライバーの心がけ次第で事故は減らせる。特に夜間はゆとりある運転をしてほしい」と話している。【神田和明】