ネットの誹謗中傷、参加するのは「ネットユーザーの1%未満」 コロナで増加、その実態は?

「テラスハウス」に出演した木村花さんが5月に亡くなり、その背景にSNSでの誹謗中傷があったとして大きな波紋を呼んでいる。ネットでの炎上は、まるで「世論」がそうであるかのような印象を与え、時に命を奪うほどに大きな影響をもたらす。 しかし実際には「炎上に参加している人は、ネットユーザー全体から見るとごく一部」だと国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授は指摘する。 山口准教授が炎上のメカニズムを検証するなかで「同じ人が何度も書き込んでいるケースがある」実態もみえてきたという。 果たして、私たちが普段見かける炎上の実態とは? そして、誹謗中傷対策には何が有効なのか? 山口准教授に話を聞いた。 ●過去1年以内に炎上に参加している人は、約0.5% ーー炎上に参加している人は実は少数というのは驚きました。いったいどのくらいの割合ですか。 ある人や企業の行為・発言・書き込みに対して、インターネット上で多数の批判や誹謗中傷が行われることを炎上と定義しています。 2014年の調査では、過去1年以内に炎上に参加している人は、約0.5%しかいませんでした。1件あたりの参加者数を推計するとたった0.0015%です。これは7万人に一人くらいということになります。2016年の調査でも、過去1年以内の炎上参加者は約0.7%と、ネットユーザー全体で見ると非常に少ない人数です。 ただ、炎上の件数は昔よりも増えています。2019年には約1200件、平均して1日3回以上発生していることになります。ですので、現在は0.5~1%程度にはなっているかもしれません。 ーーコロナ禍では、SNSで感染者に対する誹謗中傷が相次ぎました。数としても実際に増えていたのでしょうか。 これは私も驚いたのですが、デジタル・クライシス総合研究所の調査によると、新型コロナウイルスにより、2020年4月の炎上件数は前年同月比で3.4倍も増加していました。SNSの利用時間が伸び、書き込む人が増加しているためと考えられます。 ただ、中には同じ人が何度も書き込んでいるケースがあるということを忘れてはいけません。 ●0.5%の中のさらにごくわずかの人が、炎上の大半を占めている ーーコメントが多数寄せられていても、実際に書き込んでいる人数は少ないということですか。 例えば、木村花さんに対して寄せられたコメントは、ピーク時で1日数百件でした。その中で、10回以上書いているアカウントが約1.3%ほどでした。これは全体投稿数の14%ほどに当たります。
「テラスハウス」に出演した木村花さんが5月に亡くなり、その背景にSNSでの誹謗中傷があったとして大きな波紋を呼んでいる。ネットでの炎上は、まるで「世論」がそうであるかのような印象を与え、時に命を奪うほどに大きな影響をもたらす。
しかし実際には「炎上に参加している人は、ネットユーザー全体から見るとごく一部」だと国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授は指摘する。
山口准教授が炎上のメカニズムを検証するなかで「同じ人が何度も書き込んでいるケースがある」実態もみえてきたという。
果たして、私たちが普段見かける炎上の実態とは? そして、誹謗中傷対策には何が有効なのか? 山口准教授に話を聞いた。
ーー炎上に参加している人は実は少数というのは驚きました。いったいどのくらいの割合ですか。
ある人や企業の行為・発言・書き込みに対して、インターネット上で多数の批判や誹謗中傷が行われることを炎上と定義しています。
2014年の調査では、過去1年以内に炎上に参加している人は、約0.5%しかいませんでした。1件あたりの参加者数を推計するとたった0.0015%です。これは7万人に一人くらいということになります。2016年の調査でも、過去1年以内の炎上参加者は約0.7%と、ネットユーザー全体で見ると非常に少ない人数です。

ただ、炎上の件数は昔よりも増えています。2019年には約1200件、平均して1日3回以上発生していることになります。ですので、現在は0.5~1%程度にはなっているかもしれません。
ーーコロナ禍では、SNSで感染者に対する誹謗中傷が相次ぎました。数としても実際に増えていたのでしょうか。
これは私も驚いたのですが、デジタル・クライシス総合研究所の調査によると、新型コロナウイルスにより、2020年4月の炎上件数は前年同月比で3.4倍も増加していました。SNSの利用時間が伸び、書き込む人が増加しているためと考えられます。
ただ、中には同じ人が何度も書き込んでいるケースがあるということを忘れてはいけません。
ーーコメントが多数寄せられていても、実際に書き込んでいる人数は少ないということですか。
例えば、木村花さんに対して寄せられたコメントは、ピーク時で1日数百件でした。その中で、10回以上書いているアカウントが約1.3%ほどでした。これは全体投稿数の14%ほどに当たります。