今月16日に国会(参院予算委)の閉会中審査に参考人として出席した東大先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏が、危機感をあらわにした発言が話題になっている。
児玉氏はまず、「東京にエピセンター(感染集積地)が形成されている。これを止めないとニューヨークの二の舞いになる」と指摘。クラスターは外来の感染者が来て感染が増えた集団だが、エピセンターは抗体がつくられない無症状感染者の集団で、感染力が強いためスプレッダー(拡散者)になるという。この感染集積地を指定して面を制圧しないと、劇場も電車も危険になるというのだ。
中国の武漢、シンガポールの外国人ドミトリー(居住施設)、韓国・大邱(テグ)の宗教施設などもエピセンターだったが、その地区全員のPCR検査で制圧することができた。東京の新宿や池袋といったエピセンターも、国が総力をあげて制圧する必要があると力説した。
この席で児玉氏は2つのことも指摘した。1つは、日本の新型コロナの第1波は武漢型、第2波はイタリア・アメリカ型だったが、現在は東京型・埼玉型だという。新型コロナは変異しやすいRNAウイルスなので、日本で感染を繰り返すうちに地域固有のウイルスに変異したという。
もう1つは、東アジアは欧米に比べて感染者数も死亡率も低いが、それは交差免疫による。東アジアではコロナウイルスによる風邪が毎冬流行するが、新型コロナウイルスと遺伝子が一部共通しているので部分的に免疫が働いているというのだ。
話の最後に、児玉氏は「今の勢いでいったら来週は大変なことになる。来月は目を覆うようなことになる」とし、総力をあげた対策をとることを訴えた。(医療ジャーナリスト・田中 皓)