「手塚マキ社長が、ホストクラブばかり悪者にされる風潮に対しての我々の怒りを代弁して、メディアに出てくれているけど、根本的にホスト業界の仕組みを政治家や役人たちが分かっていないから今のような事態になっているんです」
と、とある歌舞伎町のホストは筆者に怒りをぶつけてきました。
手塚マキ社長は、ホストクラブのみならず、ゴールデン街のバー、デイサービスなどの介護施設を経営したり、著書を多く刊行されたりしている、歌舞伎町ホスト業界の文化人として君臨する方です。
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菅義偉官房長官が19日のフジテレビの報道番組で、新型コロナウィルスの感染拡大防止策として、風俗営業法による警察官の調査を強化する意向を語ったことに対しても、前述のホストは憤りを隠しません。
「風営法で定められた営業時間を守らない店等は前から存在していたので、政府はもっと早く警察官を動かすべきでした。それに、ホストの感染経路というのは、お店だけなく、マンションの1室に5、6人で住まわされている寮等にも問題があります。それについても対策をすべきだと思います」
多くの退職者が問題になった東京女子医大病院のナースの告白が週刊文春に掲載されていましたが、その中にもホストクラブの寮のクラスターから同病院に入院したホストの患者の話がありました。
実は筆者は、4ヶ月前に、歌舞伎町のホストクラブ従業員Aさんから、コロナ感染の検査の大変さを聞いていました。
「町医者で紹介状を書いてもらって、国際医療センターに行くのですが、検査を受けるまで、外で長時間待たされるのです。発熱していて体調悪いのに勘弁してほしいですよ」(Aさん)
幸い、Aさんは陰性でしたが、検査を受けることの大変さをAさんの周囲のホストが業界内に広めてしまったようです。
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「住民票を実家に放置したまま上京してきて、保険証を持っていないホストやキャバ嬢は少なくありません。保険証ないと実費診療になりますが、財布に3千円くらいしか入っていない金欠ホストが多いですから、病院に行くこと自体が難しい話です」(Aさん)
新宿区の吉住区長が、手塚マキ社長に電話して、ホスト業界の状況を知った上で、コロナの検査を受けて陽性の場合には10万円を支給するという制度が生まれました。ホストクラブ関係で陽性者が多く出た裏側にはこのような事情があったのです。
やはり、行政は現場の状況を正しく把握する情報網をしっかりと持つべきです。吉住区長から手塚マキ社長のダイレクトラインが、ホスト業界のコロナ禍解決の糸口にはなりました。政府は現場の声にもっと耳を傾けないと早期解決は難しそうです。(文◎安倍しんのすけ)
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