埼玉県がTikTok利用を停止…県民から情報流出懸念の声も、神戸市は休止

利用者情報の流出の懸念から、米国が使用禁止を検討している中国企業「バイトダンス」傘下の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」について、埼玉県が、相次ぐ県民からの批判を受け、公式アカウントを停止していたことがわかった。神戸市も公式アカウントを休止した。
埼玉県は来年の「埼玉誕生150周年」を含めた情報発信のため、6月にバイトダンスの日本法人と連携協定を締結。これまでに新型コロナウイルス感染への注意喚起を促す動画など約20本を配信してきたが、7月20日にアカウントの利用を停止し、動画は全て削除した。県民から「県の情報が流出してしまうのではないか」といった声が寄せられたという。
県によると、フォロワーは1000人弱。大野元裕知事は5日、「懸念が

払拭
( ふっしょく ) できない。県として利用することはしばらく控え、国の出方や国際社会の成り行きを見守りたい」と記者団に述べた。
神戸市は今月3日から公式アカウントを休止。利用者の個人情報などが中国側に流出する可能性が指摘されていることを踏まえた対応という。5月20日に中国企業の日本法人と協定を結び、市立須磨海浜水族園の生き物の様子など約30本の動画を投稿していた。市の担当者は「市民に動画を楽しんでもらえる状況ではない」としている。
自民党の議連はティックトックなどを念頭に中国発のアプリの利用制限を近く政府に提言する方向だ。