「貯金」使い果たし、基金取り崩しの「禁じ手」で黒字に 京都市2019年度決算

京都市は5日、2019年度一般会計決算の概要を発表した。実質収支は4億円で、10年連続の黒字となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的で、市税収入は3055億円に上って過去最高だった。一方、社会福祉関連の経費が膨らんだことから、将来の借金返済に備えた基金を取り崩す「禁じ手」を8年連続で行って収支の均衡を保った。
歳入総額は7728億円で、前年度比0・3%減だった。景気の回復基調に伴い個人市民税と法人市民税などが増加。初めて年間通して徴収した宿泊税は42億円だった。市税収入は同4・7%増の3055億円でこれまで過去最高だった1997年度を上回ったが、地方交付税は930億円で同11・3%減少した。 歳出総額は7705億円で、社会福祉関連経費が前年度比3・3%増の2696億円と19年連続で増加した。このうち、一般財源ベースでは1141億円を占めた。 財源不足を補うため、将来の借金返済に充てる公債償還基金の取り崩しなど「特別の財源対策」を84億円規模で実施してまかなった。さらに、貯金に当たる財政調整基金39億円も全て使い果たした。 市債残高(借金)は、一般会計や公営企業など全会計の合計で2兆1237億円。市民1人当たりでは144万8千円で前年度より3千円減った。