茨城県は5日、那珂と城里、東海の3市町村のカラオケ店と居酒屋計3店で新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生した可能性があると発表した。日中にカラオケをする「昼カラ」可能な店で感染拡大の恐れがあるとして、県は7月14~29日の利用客に保健所への連絡を呼びかけた。県内では新たに10人の感染が確認され、感染者数は累計344人となった。
県によると、3店は那珂市と東海村のカラオケ店と城里町の居酒屋。4日に感染が発表された常陸太田市の90代男性のほか、那珂の80代男性と城里の60代女性の感染が新たに確認された。
那珂と城里の2店には、栃木県が7月29日に感染を確認した茨城県在住の70代男性歌手がイベントなどで招かれ、感染した客の1人が東海の店も利用していた。重症化しやすい高齢者の利用が多い上、客の連絡先の把握も難しい場所だが店舗名は公表していない。
県内では、このほか、潮来、笠間、つくば、常陸大宮、下妻の5市と福島県在住の小学生など男女8人の感染が確認された。常陸大宮市の20代無職男性はクラスターが発生した水戸市の繁華街の利用客で、潮来市の40代男性は行方署の警察官。
一方、県が4段階で感染状況を示す6指標のうち、1日当たりの陽性者数は週平均で10・9人に達し、最も感染が拡大しているステージ4に到達した。県は「医療体制に余裕がある」などとして、全体の対策は現状のステージ3を維持した。【鳥井真平】