山梨県富士川町の特別養護老人ホームに入所していた高齢女性の死亡をめぐり、適切な医療行為を怠ったなどとして、遺族が診察した男性医師と所属する病院の運営法人を相手取り計480万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。深見敏正裁判長は請求を棄却した一審の甲府地裁判決を取り消し、医師と運営法人に計176万円の賠償を命じた。
高裁判決や原告側弁護士によると、女性は90代で、2016年2月に容体が急変し死亡。死亡前に富士川町にある峡南病院の医師による往診を受けていた。
医師は老人ホームの職員から女性が食事を取れず、血圧が低下しているなどと報告を受けたが、治療を検討せず、家族に連絡するよう指示もしなかった。
深見裁判長は、医師について「適切な医療処置を施す義務に違反した過失がある」と認定。医療処置が行われていれば、女性が生存していた可能性もあったと指摘した。
甲府地裁は昨年11月、女性は老衰により全身の状態が悪化し、医師が診察した時点で既に死亡する直前だったとして遺族らの請求を棄却していた。
[時事通信社]