札幌市豊平区の不動産仲介業「アパマンショップ平岸駅前店」で2018年12月に発生し、44人が重軽傷を負った爆発事故で、爆発を起こしたとして、重過失傷害などの罪に問われた元店長、辻本貴浩被告(35)に対し、札幌地裁は18日、禁錮3年、執行猶予4年の判決を言い渡した。被告側弁護士は控訴しないと表明。刑事裁判はひと区切りつき、今後は、事故で大きな被害を受けた周辺住民が運営会社を相手取って損害賠償を求めた民事訴訟に焦点が移る。
判決は起訴内容を全面的に認め、石田寿一裁判長が責任を厳しく批判し、「執行猶予が相当」と告げると、被告は神妙な面持ちで聴き入っていた。
爆発でビル8棟が損壊したが、1年半以上が経過し、現場のビルも建て替えられ、外見上は事故の爪痕はうかがえない。だが、判決で裁判長が「肉体的、精神的な苦痛は大きい」と指摘したように、被害を受けた周辺住民の生活に今も影を落とす。窓ガラスが割れるなどの被害が出たマンションに住む50代男性は裁判を傍聴し、「(爆発の原因になった消臭)工事の実態がわかったのはよかったが、会社側の責任も追及してほしかった」と不満をのぞかせた。
マンションの住民11世帯30人が、「アパマンショップリーシング北海道」との示談交渉に納得できないとして、事故の1年後に同社を相手取って計約5000万円の損害賠償を求める集団訴訟を札幌地裁に起こし係争中。2月の第1回口頭弁論では、原告らは事件後の心労や生活上の不便を訴えた。同社は賠償責任を認めたものの、原告らに提案している見舞金などが慰謝料の上限であると主張し、争う姿勢を示している。【土谷純一】