コロナ禍に手紙で寄り添い=孤立懸念、学生が独居高齢者に―大阪

新型コロナウイルスの影響で外出が減った1人暮らしの高齢者に、大阪大(大阪府吹田市)の学生グループが手紙などを送る活動を続けている。地域のつながりを深め、社会的孤立を防ぐのが目的で、専門家は「対面だけでなく、電話や手紙での交流も認知症や要介護になるリスクの低減に有効だ」と話している。
2018年の大阪北部地震を機に、学生や大学院生が防災活動などを通じて地域交流に取り組む「すいすい吹田」を結成。代表で人間科学部4年の置塩ひかるさん(22)によると、新型コロナによる4月の緊急事態宣言で、公民館でのクラブ活動など高齢者が交流する機会が激減したことを知り、手紙を思い付いた。メンバー7人が書いた手紙をまとめて印刷し、社会福祉協議会を通じて同月、高齢者約120人に届けた。
置塩さんは手紙で、コロナ禍でオンライン授業が続き、自宅から出ない日は室内で体を動かすように努めているなどと生活の様子を伝え、「先は見えないけれど一緒にがんばりましょう」と励ましの言葉をつづった。花見の代わりに桜の花びらの押し花も貼った。
妻に先立たれ、吹田市内で1人暮らしの山本昭二さん(85)は「孫や娘とはLINEだけで、手書きの手紙をもらったことはない。温かい文章で、見守ってくれていると感じた」と感激。返事も書いたといい、老人会の食事会に招待できる日を心待ちにしているという。
5月からはメンバーのコメントをA4用紙1枚にまとめた「よりそい隊通信」に変更。学生のほか地域住民も新たに加入し、配布地域も拡大した。置塩さんは「少しでも明るい気持ちになってもらいたい」と力を込める。
日本福祉大の斉藤雅茂准教授(社会福祉学)は「今起きている社会変革を機に、地域福祉の分野でもオンライン化などが進めば、多様な手段で多くの社会的孤立を防げるのではないか」と話している。
[時事通信社]