市民襲撃4事件に関与したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われた特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップの野村悟(73)とナンバー2の田上不美夫(たのうえふみお)(64)両被告の公判が21日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。看護師刺傷事件(2013年)で被告人質問に立った野村被告は、脱毛施術を担当した看護師に一時不満があったことを初めて明かしたが、事件への関与は否定した。
看護師は野村被告の下腹部などの脱毛施術を担当。野村被告は、12年10月にレーザー照射を受けて痛がった際に看護師から「入れ墨いれるより痛くないでしょ」と言われたと説明し、この発言に「ちょっとかちっときた」と述べた。しかし、事件への関与は否定し、事前に知っていれば「止めていた」と主張した。
一方、痛かった部分はやけどをして痛みが続いたといい、脱衣所などで処置をしている際に組員の前で怒った口調で看護師への愚痴を言ったことも明かした。事件のきっかけを聞かれると、野村被告は「私の愚痴が組員に伝わり、変なふうになったのかな」と話した。
野村被告は、施術の3日後に医院を訪れた際、職員らに「わざとレーザーを強くしたんやないか」などと不満を述べたという。しかし、その日のうちに看護師から謝罪の電話を受けるなどし「きれいにすっきりした感じ。一切わだかまりはなくなった」と語った。
これまでの公判で看護師の元同僚が、事件後に野村被告から「あの人は刺されても仕方がない」と言われたと証言していたが、野村被告はこの発言を「当時は感謝するぐらいだった」と否定。事件を起こした組員については「世話になっている看護師を傷つけるというのは通り魔以下の事件。私としたら許せない」と話した。