安倍晋三首相(65)は8月17日に慶応病院で検診を受け、当日のうちに退院した。首相の体調悪化説に火をつけたのは8月4日発売の写真週刊誌『FLASH』の“吐血”報道だった。7月6日の首相動静に5時間の空白があり、永田町ではこの間に吐血したのではないかという情報がめぐっているという内容だ。 いまや自民党内は安倍の体調急変は間違いなさそうだと受け止め、「秋退陣」をにらんで動き出した。 安倍首相は慶応病院に向かう2日前の8月15日、全国戦没者追悼式に出席した後、東京・渋谷区富ヶ谷の私邸に“盟友”の麻生太郎・副総理を招いて1時間ほど会談した。 「総理は自分に万が一のときを考えて、麻生さんに後を託した」 自民党ではそんな見方がまことしやかに伝わっている。 2007年8月の安倍退陣劇(第一次安倍政権)の際にも似た状況があった。インドネシアなどアジア3か国歴訪後に安倍首相の持病の潰瘍性大腸炎が悪化したのだ。あのとき、安倍首相は退陣表明の2日前、当時幹事長だった麻生氏だけに辞任するつもりであることをひそかに伝えた。 事前に情報を得た麻生派では、「次は麻生さんだ」とフライングで総裁選準備を進めた。そのことは麻生氏自身が記者団に「2日前から聞いていた」と漏らしたことで発覚して党内から批判をあびた。 現在、麻生氏は閣内での首相臨時代理の序列第1位であり、安倍首相に不測の事態が起きた場合、間違いなく総理の執務を代行することになっている。 そのため政府は4月から首相と副総理が同時に感染して政府機能が麻痺することを避けるため、麻生氏をコロナ対策本部の会議など重要な会議には出席させずに“温存”するフォーメーションをとってきた。 安倍首相が入院すれば、いわば“麻生臨時政権”になるのだ。国民にとってこれ以上の悲劇はないだろう。コロナ禍で麻生氏が政府のトップに立てばどんな政治になるか、これまでの言動をみると容易に想像できる。 まず、生活支援は見込めない。財務相を兼ねる麻生氏はコロナ対策の国民一律10万円の現金給付について、「リーマンショックの時の定額給付金は効果がなかった」「一律支給でやった場合、貯金に回らない保証はあるのか」と反対していた。 給付決定後も、「手を挙げていただいた方に給付する」と口走り、できるだけ給付を減らすために記入間違いが起きやすい申請方式をとった。 “下々”の生活苦はわからないのだ。
安倍晋三首相(65)は8月17日に慶応病院で検診を受け、当日のうちに退院した。首相の体調悪化説に火をつけたのは8月4日発売の写真週刊誌『FLASH』の“吐血”報道だった。7月6日の首相動静に5時間の空白があり、永田町ではこの間に吐血したのではないかという情報がめぐっているという内容だ。
いまや自民党内は安倍の体調急変は間違いなさそうだと受け止め、「秋退陣」をにらんで動き出した。
安倍首相は慶応病院に向かう2日前の8月15日、全国戦没者追悼式に出席した後、東京・渋谷区富ヶ谷の私邸に“盟友”の麻生太郎・副総理を招いて1時間ほど会談した。
「総理は自分に万が一のときを考えて、麻生さんに後を託した」
自民党ではそんな見方がまことしやかに伝わっている。
2007年8月の安倍退陣劇(第一次安倍政権)の際にも似た状況があった。インドネシアなどアジア3か国歴訪後に安倍首相の持病の潰瘍性大腸炎が悪化したのだ。あのとき、安倍首相は退陣表明の2日前、当時幹事長だった麻生氏だけに辞任するつもりであることをひそかに伝えた。
事前に情報を得た麻生派では、「次は麻生さんだ」とフライングで総裁選準備を進めた。そのことは麻生氏自身が記者団に「2日前から聞いていた」と漏らしたことで発覚して党内から批判をあびた。
現在、麻生氏は閣内での首相臨時代理の序列第1位であり、安倍首相に不測の事態が起きた場合、間違いなく総理の執務を代行することになっている。
そのため政府は4月から首相と副総理が同時に感染して政府機能が麻痺することを避けるため、麻生氏をコロナ対策本部の会議など重要な会議には出席させずに“温存”するフォーメーションをとってきた。
安倍首相が入院すれば、いわば“麻生臨時政権”になるのだ。国民にとってこれ以上の悲劇はないだろう。コロナ禍で麻生氏が政府のトップに立てばどんな政治になるか、これまでの言動をみると容易に想像できる。
まず、生活支援は見込めない。財務相を兼ねる麻生氏はコロナ対策の国民一律10万円の現金給付について、「リーマンショックの時の定額給付金は効果がなかった」「一律支給でやった場合、貯金に回らない保証はあるのか」と反対していた。
給付決定後も、「手を挙げていただいた方に給付する」と口走り、できるだけ給付を減らすために記入間違いが起きやすい申請方式をとった。 “下々”の生活苦はわからないのだ。