前法相、対決姿勢あらわに=検察主張に「事実ない」―有権者には謝罪も

「裁判長」。力強く呼び掛けてから、はっきりとした口調で無罪を主張した。東京地裁で25日午前に開かれた参院広島選挙区での大型買収事件の初公判。久しぶりに公の場に姿を見せた河井克行前法相(57)は罪状認否で検察側の主張をきっぱりと否定し、対決姿勢をあらわにした。
午前10時すぎ、法廷に現れた河井前法相は白いシャツの上に濃紺のスーツを着ていた。妻の案里参院議員(46)も濃紺のスーツ姿。2人は裁判長や検察官、傍聴席にそれぞれ頭を下げた。
前法相は罪状認否の冒頭、「国政に送り出していただいた多くの皆さまに深くおわびします」と陳謝。一方、検察官が読み上げた起訴状に対し、「公示前に選挙事務所が設置された事実自体ない」「立候補届け出前の選挙運動をした事実はございません」と徹底抗戦の姿勢を鮮明にした。
案里議員も「大きな政治不信を招いたことをおわび申し上げます」とした上で、「自民党の党勢拡大のための政治活動や選挙運動の準備行為を行っていただけ」と落ち着いた様子で述べた。
検察官が冒頭陳述を読み上げる間、前法相は正面を見ながら、時折ペンを走らせた。案里議員は目を伏せ、うつむき気味に聞き入った。同日午後の閉廷の際には、前法相が弁護人と話しながら、何度もうなずく場面も見られた。
東京地裁前では同日午前、初公判の傍聴席23席を求め、429人が列をつくった。
[時事通信社]