工藤会・野村被告が無罪主張「漁協に興味ない」 元組合長射殺事件で被告人質問

市民襲撃4事件に関与したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われた特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップの野村悟(73)とナンバー2の田上不美夫(たのうえふみお)(64)両被告の公判が31日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。この日から野村被告の被告人質問が始まり、殺人罪などに問われている元漁協組合長射殺事件(1998年)で指示や承諾をしたかを問われた野村被告は「ありません」と改めて無罪を主張した。
黒のスーツ姿で補聴器を付けて証言台に座った野村被告は、被害者の元組合長は名前を聞いたことがある程度だとし、被害者と漁協の関係については「知らない」とした。漁協利権が絡む北九州市の大型港湾工事について問われても「知りません。漁協のことは興味がない」と話した。
事件は北九州市小倉北区で起きた。野村被告は工藤会が同市を縄張りにしていることを認め、検察側から縄張りで他の組織がシノギ(資金獲得活動)をすることはあるのか尋ねられると「聞きませんね」と答えた。市内で射殺事件があれば誰が犯人か調査しないのかと問われると「組員が撃たれたら探るが、普通の人なら深く追及しない」などと述べた。
検察側が過去の元組員への重い処分を決めた経緯を聞いたところ、野村被告は執行部の決定を「了承」していたと認め、会の意思決定に関与していたことを示唆した。元組合長を射殺した実行役が胸に野村被告の名前の入れ墨をしていたと元組員は証言していたが、野村被告は「聞いたことがない。入れ墨を入れられるのは気持ち悪い」と述べた。
事件当時、野村被告は工藤会の前身、工藤連合草野一家の2次団体である「田中組」組長で、同組のナンバー2に田上被告を自ら抜てきした。田上被告については「皆から信頼される人物で、(組の運営を)任せて大丈夫と思っていた。今も信頼している」と語った。