17年前の殺人 南アフリカ逃亡の容疑者「コロナかも」 リーダー格は死亡か

東京都奥多摩町の山中で2003年、切断された男性の遺体が見つかった事件で、警視庁捜査1課は4日、殺人容疑などで国際手配していた紙谷惣(そう)容疑者(46)を逮捕監禁容疑で逮捕したと発表した。紙谷容疑者は南アフリカに逃亡していたが、8月下旬に現地の日本大使館に出頭した。殺人容疑でも追及する。
捜査関係者によると、紙谷容疑者は出頭した際に「金がなく日本に帰りたい」と話したほか、「同居人が新型コロナウイルスに感染した。自分も感染しているかもしれない」と不安を口にしたという。外務省などと協議したうえで、紙谷容疑者を3日帰国させ、逮捕した。
逮捕容疑は03年9月、仲間と共謀し、元飲食店従業員の古川(こがわ)信也さん(当時26歳)を埼玉県戸田市のマンションなどに監禁したなどとしている。「間違いない」と容疑を認めているという。
古川さんは監禁された後に山梨県丹波山村のキャンプ場で首を絞めて殺され、遺体は奥多摩町などに遺棄された。警視庁はこれまでに男女10人を殺人容疑などで逮捕する一方、04年には紙谷容疑者とリーダー格として松井知行容疑者(48)を殺人容疑などで国際手配していた。
両容疑者は飲食店などの客のクレジットカード情報をもとにカードを偽造するグループを率いていた。古川さんが開店を予定していた飲食店でもカード情報を盗ませることを持ちかけたが断られ、事件を計画したとみられる。2人は03年10月、米ハワイ経由で南アに逃亡していた。
一方、松井容疑者を巡って、自殺したとの情報があることも判明した。南ア当局が今年5月、松井容疑者とみられる男が16年12月ごろに南アの海岸で首をつって自殺した可能性があると、警察庁に伝えた。
遺書とみられる文書には「迷惑をおかけして申し訳ありません」という文言と自分の名前が記されていたという。指紋も一致しており、警視庁はDNA型鑑定も検討して慎重に捜査する。
紙谷容疑者は松井容疑者について「どこで何をしているのか知らない」と供述しているという。松井容疑者は03年5月に東京都新宿区で元スナック経営の男性(当時38歳)が死亡した傷害致死事件でも国際手配されている。【土江洋範、最上和喜、鈴木拓也】