長野のポツンと一軒家で矢を放ち右腕を貫通…28歳ボーガン女の正体

現代の「鬼女」は「妖術」ではなく、ボーガンで矢を放った。70代の民生委員を呼び出した28歳のボーガン女は、明らかに胴体を狙っていた。

人口1299人、長野市「鬼無里地区」には、平安時代の「鬼女紅葉伝説」が残されている。京の都から追放された「鬼女」と呼ばれる高貴な美女「紅葉」が、妖術を使って悪事をはたらき、降魔の剣で征伐される物語だ。

胴体を狙った矢は右腕を貫通

鬼無里の人里離れた一軒家に住んでいる無職の水沢夏美容疑者(28)が1日、殺傷能力の高いボーガンで70代男性を殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで長野中央署に逮捕された。

民生委員は水沢容疑者に呼び出され、先月31日午後4時15分ごろ、車で自宅を訪問。家の中から出てきた水沢容疑者と、敷地内で言葉を交わした。話をしている最中、水沢容疑者はあらかじめ用意していたボーガンを取り出し、民生委員の胴体を目掛けて至近距離から矢を放ち、右腕を貫通した。民生委員は矢が突き刺さったまま車に乗り、3分ほど運転して知人宅に逃げ込み、助けを求めた。

「不意打ちとかではなく、男性は狙われているという認識もなかったようです。気付いたら矢が向けられ、逃げられなかった。2人はこれまでも数回会ったことがあるそうですが、家に上がってお茶を飲むような関係ではなく、男女間のトラブルでもなさそう。ただ殺意があったのは間違いなく、たまたま矢がそれて腕を貫通した。体幹部を狙っていたのは容易に推測できます。男性に心当たりはまったくないそうです」(捜査事情通)

旧鬼無里村は戸隠連峰の麓の鬼が一夜で築いたといわれる「一夜山」に囲まれた別荘地。水沢容疑者は昨年5月、築45年、1階床面積34・79平方メートルの別荘を購入した。

「派手でもなく地味でもなく、ごくごく一般的な女性です」と地元関係者がこう続ける。

「理由なく人を傷つけるようなタイプには見えませんでした。ここは忘れ去られた別荘地というか、住民はあまりおらず、冬場はマイナス20度ほどになる。そんな山奥で独身女性が一人暮らしをするのですから、変わった人だなという印象です。もともと『長野市内の中心部に住んでいた』と言っていました。移住当初は、車で街中まで仕事に行っていた。ちょっと前、別荘地の見回りをしていた業者が道路に車を止めていたら、『邪魔だからどけろ』と怒鳴られたそうです。事件の数日前には(水沢容疑者とは)別の車が長時間、敷地内に止まっていました」

実は水沢容疑者が以前、住んでいたのは長野県の別の市町村だったという。まさに現代版「鬼女紅葉伝説」のようだ。