2020年4月に施行された香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」について考えるシンポジウムが6日、高松市のレクザムホールであった。元香川県弁護士会会長の馬場基尚さんや、今秋に県を相手取った違憲訴訟を予定している高校3年の渉(わたる)さん(17)=名字は非公表=らが登壇。参加者も交え、条例の是非や制定過程について意見を述べ合った。
条例は議員提案で成立。①18歳未満のゲーム時間は1日60分(休日は90分)まで②小中学生以下は午後9時、高校生などは同10時以降、スマートフォンなどの使用を控える――の2点を示し、家庭内で作るルールの目安として守るよう求めている。
シンポジウムで馬場さんは「日本は同調圧力が強い。学校の先生が無批判に条例を守れば、被害を受けるのは子供だ」と指摘。その上で「時代は常に変化している。変化を見極めず、これからの日本を支えるネットやゲームというインフラに対して地方議会がむちゃな条例を作った。世間から笑われる」と県議会を痛烈に批判した。
渉さんは「学校に居場所がなかったり、家庭環境が複雑だったりするとゲームを居場所に感じることがある。(子供がゲームをする背景について)実態調査をせずに条例制定を進めたのは問題だ」と主張。また、議員に疑問点を尋ねる公開質問状を送ってもなしのつぶてだったと明かし、「反対の人と議論すべきなのに僕のことをはねのけている。県民の声を聞いていないと感じる」と語った。
参加者からも多様な意見が上がった。小児科医の男性は「愛情や感情はネットやゲームでは育たない。ネットのしすぎという問題提起は受け止めるべきだ」と述べる一方、「人の権利を大事にした方向でやるべきだ。機械的に(時間などを)決めつけるのは疑問だ」との考えを示した。
シンポジウムは市民団体「香川革新懇」などが主催し、約100人が参加。県議会からも最大会派の自民党県政会や公明党議員会などを除く各会派(自民党議員会、リベラル香川、共産党議員団)の代表らが出席した。【金志尚】