暑さや密集避けにくい建設業界、感染対策の徹底呼び掛け 盛岡で研修会

新型コロナウイルスの感染が、岩手県内の建設現場で働く人たちからも確認された。作業の現場には暑さや密集が避けにくいという難しさがある中で、業界は感染対策の徹底を呼び掛けている。【山田豊】
9月に入り、奧州市の同じ建設現場で働いていた男性作業員4人の感染が相次いで判明した。2人が中部地方、1人が関東地方、もう1人が近畿地方に在住と、全国から集まっていた。
建設業界は、作業員が集まらざるを得ないといった多くの感染リスクが潜む。東日本大震災の復興工事など大規模なものになると、県外からも含めた数十人の作業員が1カ所に集まることもあるという。一方、夏場の作業では、常時マスクを着けていると熱中症になる危険性もある。感染対策と熱中症対策のバランスが課題とされてきた。
県内の建設業541社が加盟する県建設業協会は、国や県のコロナ情報を頻繁に共有し、消毒やお互いの距離の確保に加えて、マスクの代わりになるマウスシールドの着用やチェックシートでの健康確認など、対策の徹底を呼び掛けている。菊池満専務理事は「全国的に災害が相次いでいる中、コロナ禍でも工事は止められない」と語る。
研修に取り組む団体もある。県が建設現場で働く女性を支援するために2017年に設立した「いわてけんせつ小町」は4日、日本赤十字社県支部の講師を招き、盛岡市で感染症予防対策などの研修会を開いた。建設現場で働く女性の作業員や事務職ら約50人が基本知識などを学んだ。出席者からの「建設現場は屋外なので、屋内より感染リスクが少ないのでは」という質問には、講師が「屋外でも、密集を避けるなどの対策を怠ってはいけない」と答えた。
けんせつ小町の事務局を務める県建設技術振興課の担当者は「建設業は社会インフラを支える業種で休めないため、日ごろからの予防が重要。県外の作業員や技術者がいなければ工事が進まないこともあり、感染対策でも協力し合いながら工事を進めていく必要がある」と語った。